強がりさんは恋に臆病 (ページ27)

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やすぽん夫妻もタクシーで帰っちゃって

「るっくーん♪るっくん♪」

「蓮くん近いって」

かなり陽気な川尻さんが目の前を歩いている

さっきまで眠そうだったのに

「あーもう(笑)！だから近いよって！」

「そんな怒らんといてよ〜」

わざと顔を近づけたり、肩組んだり

結構酔うと絡むタイプか

「急にあのテンションになるからビビンねん」

『そういう純喜は意外と普通だね』

「意外ってなんや、そんな悪酔いする奴に見えるか？」

『んー、、ちょっと？』

「えー！いやや！」

そんなじゃない！って必死に言うのがなんか微笑ましくて？

この前会ったときは真剣に話聞いてくれてたのに

少し子供っぽいところもあるんだなんて思ってたら

「じゅーんきっ！」

「わ？！蓮くん！びっくりした」

背後から純喜に飛びついて少しよろけてた

「気配、気づかんかったと？」

「全然気づかへんかった、、」

「八乙女さんは？？」

『え、、私も、全然』

「ホントに？！やったー！勝った」

そんなゲームみたいなことやってた覚えないけど

ズイっと顔を近づけられると

さっき自分がしたことを思い出して凄く恥ずかしい

ホント、何やってたんだ私は

純喜は川尻さんの歩幅に合わせて

どんどん前を歩いていく

その背中を見てると余計複雑な気持ちになった

「顔、怖いよ？」

『え？！』

ゆっくり歩いてた瑠姫が私の横にいた

「仲良いよね」

『そりゃ、いつメンだからでしょ』

「違うよ、Aと純喜のこと」

『まぁ友達だし？』

瑠姫が言いたそうなことは何となく分かったから

あえてはぐらかした、、、けど

「もうさ見てるとムズムズするんだよね」

『なにが』

「好きでしょ？純喜のこと」

その一言に足が止まる

『何でそう思うの』

とか言いながら正直、、図星だった

でもアイツに似てる人が現れて色々思い出しちゃうし

何より誰も好きにならないと決めた自分の意思が邪魔をする

「見てれば分かる」

『好きかもしれないけど、違う』

だってまた裏切られたら？

つまらないって言われたら？

そうなるのが怖くて、好きになることを認められない

「意地張っても良いことないよ」

『意地なんかじゃないし！』

「じゃあ何でそんな態度なの」

『こっちにも色んな事情があるの』

「過去に何があったのか俺は知らないけど、純喜はそれを笑ったりなんかしないよ。」

それはもう、、知ってるよ