強がりさんは恋に臆病 (ページ15)

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電車に揺られる帰り道

少し電車が混んでたけど2人シートに座れた

「呑めば良かったな〜」

『あんだけ食べても呑めるんだ、凄いね』

「小ビールくらいなら楽勝でしょ、行っちゃう？今から」

『うーん、、お腹いっぱいだからなー』

それもあるけど、2人でお酒の席は気が引ける

私、お酒強くないし

「そうだよな、ええよ、また今度にしよ」

『ごめんね』

「また店行くよ、料理もうまいし！」

『来月には常連になってたりして(笑)』

お店に来る時は連絡するからって言うけど

そんなことしなくても普通に来ればいいのに

「そうや、写真撮ろ」

『えー？』

「ええやん、記念や記念！ほら！」

電車内で恥ずかしい

隣はノリノリでスマホ構えてるけど

「もうちょい寄ってや」

『もう寄ってるって』

「若干切れてるから、ほら」

肩に腕を回されてグッと体が寄る

『おいっ』

腕を離したくても意外と力強い、、この人

「ちゃんと笑ってや？」

仕方なく従って写真を撮った

「ありがとう」

ご満悦そうに笑ってるけど

『色んな人にもこういう風にするの？』

「え？うん、、友達は、だいたい？」

『ふーん、、』

こういう所から浮気って始まっちゃうのかな、、

いやいやいや！純喜とアイツを並べちゃダメ

失礼すぎる

「なんで？」

『え、いや、別に？』

「ごめん、嫌やった？」

『嫌とかじゃなくて、なんか気になっただけ』

「あっ、、。」

何かを感じ取ったのか気まずそうに顔を向ける純喜

「彼氏が怒るとか、、？」

すごいタイミングで、、、地雷を踏まれた、、、

『べ、べ別に！いないから！』

他の人も電車に居るのに大声で言ってしまった

「おぉ、、。なんかごめんな」

気まずい、、気まずすぎる

「い、意外やわー、Aに彼氏おらんとか」

言ってる本人に悪気がないのは分かってるんだけど

グサグサと言葉が刺さる

『まぁ、その、色々あって、、』

「そっか、、辛かったな」

辛かった？私そんなこと言った？

『なんでそんな風に言うの』

「顔に書いてある」

やばっ、、そんな分かりやすく出てたかな

『ごめん』

別にええけどって、言ってたから黙り混んでしまった

「次の駅で降りるで」

『え、私まだ最寄りじゃないけど』

「知ってる、ええから行くぞ」

『ちょっと！？』

強引に手を引いて電車を降りる

純喜が持っているビジネスバッグが揺れて当たった