“好き” その1 ページ18
．
中学の頃、俺には相棒がいた。自己チューだ、横暴だ、皆がそう言って俺から離れていっても、アイツだけは絶対に、俺のそばにいてくれた。
それなのに、俺は。
──────────
中学最後の大会。その日、相棒の春樹は絶不調だった。アップの時から動きも悪く、ミスを連発。
「おい!! 全然動けてないぞ!!」
思わず怒鳴ると、春樹は息を切らしながら申し訳なさそうに謝る。少し言いすぎだとも思ったが、気合いをいれるためにはちょうどいいかもしれないとも思った。
試合が始まってからも、春樹のプレーは調子が悪いなんて言葉では済まされないほどのものだった。
「いい加減にしろ!!」
そう怒鳴って春樹の方を向くと、いつものように謝ることすらできないほど余裕がないようだった。
明らかに様子がおかしい相棒の姿に、俺の焦りは加速するばかり。勝つためには、もっと速い攻撃を。無意識のうちに、俺のトスはどんどん速くなっていった。
そして相手があと1点でセットポイントという状況で、金田一が俺があげたトスを打ち損ねる。春樹がカバーに入ったが、ボールが落ちたのは春樹が伸ばした手の数メートル先だった。
「フザけんな!! 無茶すぎんだよお前のトス!! 打てなきゃ意味無えだろうが!!」
金田一の怒鳴り声。その時、俺の中で何かがプツンと切れたような気がした。
「もっと早く動け!! もっと高く飛べ!! 俺のトスに合わせろ!! 勝ちたいなら!!」
そう俺が怒鳴った数秒後。沈黙を破ったのは、ドサッ、という何かが落ちたような鈍い音だった。音がした方を振り向けば、そこには真っ青な顔で倒れ込み、浅い呼吸を繰り返す春樹の姿。
「春樹!! おい、春樹!!」
何度も名前を呼べば、春樹は薄く目を開けて僅かに口を開く。
「ご、めん、ね……」
掠れた声でそう言った春樹は、そのまま意識を失った。
春樹は救急車で運ばれて行き、試合は再開。相手のセットポイント。トスを上げた先。
そこには、誰もいなかった。
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ハムちゃん大先生(プロフ) - 優麻さん» 了解しました！この物語中に織り交ぜたいと思います。今後の展開にご期待ください！ (2020年1月1日 18時) (
レス) id: 2a7a4ab774 (このIDを非表示/違反報告)
優麻 - ハムちゃん大先生さん» ぁ、あ、ありがとうございます！及川さんと岩ちゃんと三角関係が欲しいとか言っても…？ (2019年11月19日 22時) (レス) id: fe7d430fbe (このIDを非表示/違反報告)
ハムちゃん大先生(プロフ) - 優麻さん» リクエストも募集しておりますので、こんな話が読みたい！という希望がありましたらなんなりとお申し付けください。リクエストは作中に織り交ぜたり、次回作の参考にさせて頂きますので、お気軽によろしくお願いします！ (2019年11月19日 12時) (レス) id: 2a7a4ab774 (このIDを非表示/違反報告)
優麻 - ハムちゃん大先生さん» みぎゃああああああありがとうございます！楽しみにしてます！すごい分かります。どうしても悲恋が書きたくなるんですよね。私は書けないんですけど！ (2019年11月11日 20時) (レス) id: fe7d430fbe (このIDを非表示/違反報告)
ハムちゃん大先生(プロフ) - 優麻さん» 木兎さんと国見くんもかっこいいですよね！ 出来ればこの2人も、物語の中に登場して夢主くん達と絡むようにしたいと思います！ (2019年11月10日 17時) (レス) id: 2a7a4ab774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハムちゃん大先生 | 作成日時：2019年11月5日 22時
