しげもり ページ6
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マネージャーから聞いた。熱あるんやろ大丈夫なん
へいき
次の仕事終わったら家行くから大人しく寝といて
来んくていい。移る
こんな時まで人の心配せんでええねん。って思いながらもどうせ返しても来んなしか言われやんからと思って既読無視する。
Aはホンマに弱味を見せたがらん、甘えベタ。
やからパンクしそうな時は俺が気づいて支えたらなって思ってる。
▼▼▼
仕事も終わって早々にAんち行ってインターホン押す。
『は？』
重「は？ってなんやねん、はよ開けて寒い」
『あかんから、ほんまに、帰って』
重「帰らんぞ、開けるまでずっと俺外で待っとるからな」
『んん………、』
唸ったと思ったら、解錠音がピピッとなった。
俺がホンマに帰らんのも知ってるからな。流石やわ。
部屋の前まで行ってドアを開けたら鍵はかかってへんかった。
もう既に開けてベッドに戻ったかな。
寝室に行ってドアを開けるとベットから顔を真っ赤にしたAがこっちを向いてた。
『マスク、二重して』
指をさしてる方向を見たら入口付近の棚に丁寧にマスクと携帯用アルコールが置いてあった。
言われた通りマスクをしてアルコール消毒をしてベットに近寄る。
重「熱は」
『ない』
重「いらん嘘つかんくていいから」
『…、38度9分』
重「ひええ、しんどいな」
そう言って優しく頭を撫でてから、ぬるくなってるおでこの冷えピタを買ってきた物と取り換える。
ん、と少し声を出して冷たそうにする姿はいつもより少し幼く見えた。
重「他は？なんかいる？」
『カネ』
重「ボケんでええねん、ええわ寝とけお粥さん作ってくる」
『作れるん』
重「おれ料理する方やぞ、舐めんな」
そう言って台所に向かって買ってきた食材を冷蔵庫に入れてたら、Aがてとてと歩いてきた。
重「寝とけ言うたやろ」
『しげほんまに作れるんかなあって』
重「作れるから、寂しいならそこのソファでええから寝てて」
多分正解、寂しいんやと思う。
うんって素直にソファで寝転がるAは可愛くて、看病するのが俺でよかったなんて思う。
そのままお粥を作り終わった頃にはAはもう爆睡してたから、起こすのも可哀想でそのまま寝かしてあげた。
重「もう少し甘えるん上手くなって欲しいけどな」
眠り顔も可愛い俺達の姫には届かない独り言。
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作者名：なつめ | 作成日時：2019年4月20日 15時
