余計なことは(京本side) ページ18
生きてる？まさか死んでないよね
走って、走って、校門を抜けて、覚えたばかりの学校の配置を頭に浮かべながら、ようやく資料室の鍵を開けた
『…A！』
暗闇の中、彼女が横たわっている
死んでる？てか何があったの？
必死で名前を呼ぶのに答えない
彼女の顔をぐっと寄せてみる
なんだ息してんじゃん
よく見ると、まつ毛がくるっと長くて、肌が人形みたいに白くてまるで作り物のような綺麗な顔をしてる
起こしちゃまずいかな
引き寄せた顔を慌ててもう一度床に戻すと、彼女は少し顔をしかめた
何にうなされてんの？もう俺がいるから大丈夫だよ、なんて
・
暫く頭を撫でていると彼女はゆっくり目を開けて、俺の顔を見ると一瞬驚いて、またいつもの寂しそうな表情になる
『…あ、起きた？死んでるのかと思って焦って鍵開けたら寝てんだもん。』
焦って声をかけると、彼女の白い頬に水滴が伝って落ちた
『…え、泣いてる？』
涙を慌てて拭う姿に、
ここで何があったか知らないけど、
そんな強がる必要ないじゃんって
考えるより先に彼女を抱き寄せた
・
『これで安心した？』
ぎゅっとした肩は狭くて寂しそうで、冷たい
もう離していいかな
許されるならこの壊れそうな肩に触れてあげてたいけど
『…じゃあ帰れる？送る』
手を差し伸べたのに、中々立ち上がろうとしない
・
｢…ねえ今日は一緒にいて…ひとりでいたくない｣
・
俯いて気まづそうに呟くと俺の袖を引っ張った
何？誘ってんの？もう一度彼女が呟いた言葉を頭の中でリプレイする
つまり一人暮らしってこと？このまま一人で帰って夜を過ごして、ほんとにこいつは壊れちゃうんじゃないの
『じゃあそうする？』
そんなのほっとけるわけないじゃん。
『案外悪い子なんだね』
｢…そういうわけじゃない…けどありがとう｣
俺の返事を聞いてまだ口をあんぐり開けてる彼女にもう一度手を伸ばす
・
コンビニ寄る時も俺が一旦家に服を取りに行く時も黙って付いてくる様子が忠犬みたいに可愛くて、
君の孤独に寄り添えるなら、君が家に一人な理由もなんで閉じ込められていたかも聞かなくてもいいかなと心の中で頷いた
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はむ(プロフ) - あぷるさん» コメントありがとうございます！頑張ります(*^^*)！！ (2020年5月25日 9時) (
レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください〜！ (2020年5月25日 0時) (レス) id: a22ab0fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - プチトマトさん» ありがとうございます！至らない文章ですが続けられるように頑張るのでよろしくお願いします(*^^*)！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
プチトマト - この小説すごい大好きです！頑張ってください！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: 95a92f1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2020年5月20日 9時
