ふんわり ページ17
｢…資料室｣
え？ここで充電切れる？聞こえてた…かな
電話越しでも彼がすごく困ってるのが想像できて罪悪感でいっぱいになった。ほんとに誰も来なかったら私はどうしたらいいの？
ひとりが怖くて、ひとりが嫌で、壊れちゃいそう
お腹空いたし、眠いし、頭がなんだかぼーっとして
真っ暗な資料室に少しだけうずくまる
泣きたくなったり、泣くのを我慢したい時に私は必ずうずくまる。それは中学の時からそうなんだ
・
『…A！姫野A！…』
・
どのくらい経ったんだろう
いつの間にか寝ていたようで、誰かが名前を呼ぶ声がして、重たい瞼を少しずつ開く
・
ゆっくり起きると、そこには京本大我が隣にしゃがんでて、
子供をあやすみたいに優しく頭を撫でている
『…あ、起きた？死んでるのかと思って焦って鍵開けたら寝てんだもん。てかさ……え、泣いてる？』
頬にあたたかい水滴が零れたのは自分でもわかって慌てて拭う。人の前で泣くのはごめんだ
だけど一瞬彼は戸惑った顔をすると、
・
優しく私を抱きしめたんだ
・
私を包む彼の体はやけにあたたかくて
自然に手を回すと、彼の心臓の音が少しだけ聞こえて思わずドキドキする
・
『これで安心した？』
暗闇に寄り添いながらぽつりと彼はそういうと、
『…じゃ帰れる？送る』
また優しく手を差し伸べたんだ
今帰ったらまたひとりぼっち？そんなの耐えられない
・
｢…ねえ今日は一緒にいて…ひとりでいたくない｣
・
ひとりが嫌いになった今日だけ、暗闇で感じた彼の優しさに甘えたくなった私は不意にとんでもないことを言ってしまった
何言ってんだよ私
・
『じゃあそうする？』
・
ほんとに言ってる？
いきなり呼び出しに、いきなりとんでもない我儘に、もうそんなの許されるわけがないのに、
彼は悪戯っぽく笑った
『案外悪い子なんだね』
｢…そういうことじゃない…けどありがとう｣
暗闇の中もう一度彼の手を取って立ち上がると、綺麗な金髪を揺らしながらもう一度笑ったような気がした
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はむ(プロフ) - あぷるさん» コメントありがとうございます！頑張ります(*^^*)！！ (2020年5月25日 9時) (
レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください〜！ (2020年5月25日 0時) (レス) id: a22ab0fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - プチトマトさん» ありがとうございます！至らない文章ですが続けられるように頑張るのでよろしくお願いします(*^^*)！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
プチトマト - この小説すごい大好きです！頑張ってください！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: 95a92f1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2020年5月20日 9時
