電話(京本side) ページ16
『え、まだ来てないの？』
｢Aちゃんなら来てないけど｣
掃除当番で遅れてる俺の様子を教室まで見にきた樹が、首を傾げながら言った
｢やっぱ無理だってきょも｣
『大丈夫ったら大丈夫！俺明日にでもまた頼むよ』
｢ねえなんでそんなにAちゃんのこと気になるわけ？きょもは｣
なんで？と不意に聞かれて掃除の手が止まる
『…なんでって言われても』
うーん？なんで？顔？いや、美人だけどね
雰囲気？とにかく何か惹かれるものがあって、彼女が気になってるのは認める
｢まっあんま考えすぎんなよ、きょもらしくないし！じゃ俺先集まり戻るわ｣
・
｢来なかったね〜Aちゃん｣
『なーんでだろうなー俺ちゃんと誘ったのに』
結局集まりにあいつは出なくて、
キーボード足りないじゃんとか、やっぱり人数多くね？とか適当な話だけして、駅方向のみんなと分かれると、樹とバス停に向かう
『俺なんかいけないことしたかな？』
｢いや、いけないことしかしてないっしょ。きょもは女の子のこと考えなすぎ笑 ｣
『えーいみわかんね』
｢Aちゃん、ひとりぼっちてかいうか人に心開かなそうだよね。あー、俺が口説いてもダメそう！せっかく可愛いのに〜｣
泣き真似をする樹に思わず吹き出す
『心開かなそう？まあ俺も思うけどね。そこはさあ……俺の悪魔の力で……
｢ちょ、きょもケータイ鳴ってない？｣
慌てて確認する
・
『…非通知？』
マジで誰だろう。恐る恐る出てみる
・
｢……もしもし｣
・
『…A？』
少しいつもより掠れてるけど確かにAの声
なんで急に電話？
・
｢……出れない……閉じ込められた｣
は？閉じ込められたってなに？
『ねえ！おいA聞こえる？どこ？学校？おーい』
｢…資料室｣
そこでプツリと電話が切れた
｢きょも？なんかあったの｣
『ごめん樹、俺学校に忘れ物したっぽい！戻るわごめん』
学校まで足が遅い俺が走っても15分ぐらいだろうか
きっとこれが別の人だったらこんな焦ってない
だんだん遠くなる樹の声も気にしないで、ひたすらに走ったのは電話越しの彼女の声が震えてたような気がしたから
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はむ(プロフ) - あぷるさん» コメントありがとうございます！頑張ります(*^^*)！！ (2020年5月25日 9時) (
レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください〜！ (2020年5月25日 0時) (レス) id: a22ab0fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - プチトマトさん» ありがとうございます！至らない文章ですが続けられるように頑張るのでよろしくお願いします(*^^*)！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
プチトマト - この小説すごい大好きです！頑張ってください！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: 95a92f1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2020年5月20日 9時
