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お守り ページ29

『はい、これね』


「…ありがと。いくらだっけ?お金返す」


『別にいいよそんなん』


「悪いのに」








楽器屋さんを出ると外は暗くなっていて、









『A、帰り電車?』



「…電車」









人見知り同士、なんとなくだんだん話すことがなくなって沈黙のまま歩く









ふと楽譜の袋を開けて取り出してみると、2冊入ってる
舟唄、となにこれ?「愛の夢」?






少し前を歩く早足の北斗に聞いてみる









「ねえ、2冊入ってる楽譜」






『あ?それお守りね俺の』








北斗はこっちに振り返ると片方の口角を上げて笑った









「粋じゃん。お守り?」






『あのさA』









ふと北斗が立ち止まる









『やっぱいいや』








やっぱいいってなんだろう、これ以上聞くのも悪い気がして話をそらす









「なにそれ?てかまた聞かせてねピアノ」




『断固拒否。人前で弾きたくないの俺』




「なんで一人で弾くの?」





『秘密。お前が思うより多分俺も一人だよ常に』









そう呟いた北斗の広い背中が寂しそうに見えた気がする。寂しいってこういうことなのかな









「今は2人だけど」





『当たり前だろ2人で歩いてんだから』





「違う。北斗も私もひとりなら、ふたりになればいいい」









自分でも何を言ってるかわからない。ひとりが好きなはずなのに北斗といると調子が狂う












『それもいいかもね』





「…意外と笑う」









心の声が漏れた









『聞こえてんだけど?Aが笑わないだけ』





「大我にも前言われた」





『そういえばさ、あの金髪しつこすぎ』





「北斗入るの?軽音」





『お前が勝手に推薦したんでしょ』





「ごめんあのとき」





『考え中ね。俺今シンキングタイムだから。入るか決めてない』









意外と前向きじゃんと少し置いてかれた気持ちになる
絶対入らないと思ってたのに









「北斗が入るなら私も入る」






『お前ほんと何なの?』







「ごめん冗談」









ほんとは冗談なんかじゃないけど、困らせたら悪いから慌てて言葉を濁す






北斗はチラッと私の方を見ていつものように片方の口角を上げて笑う






どうせ全部見透かされてるかななんて、もう一度袋に入った"お守り"をみつめた










__________________





クラシックを3曲登場させてみました。
どれも良い曲なのでぜひ!

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設定タグ:京本大我 , 松村北斗 , SixTONES   
作品ジャンル:恋愛
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はむ(プロフ) - あぷるさん» コメントありがとうございます!頑張ります(*^^*)!! (2020年5月25日 9時) (レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる(プロフ) - とても面白いです!頑張ってください〜! (2020年5月25日 0時) (レス) id: a22ab0fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - プチトマトさん» ありがとうございます!至らない文章ですが続けられるように頑張るのでよろしくお願いします(*^^*)! (2020年5月21日 17時) (レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
プチトマト - この小説すごい大好きです!頑張ってください! (2020年5月21日 17時) (レス) id: 95a92f1734 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はむ | 作成日時:2020年5月20日 9時

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