【d!】とろけるような恋の味【wrwrd】 (ページ26)

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rb＿付き合ってページ26

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面白みのない授業もHRも終わりクラスメイトがガタガタと帰り支度を始めた時、勢いよく教室の扉が開かれた。
やっと勉強から開放された、とみんな気を抜いた直後の事で何事かと空いた扉の方を向くが、開いた当の本人は既に教室の中に入っていた。
こんな事する人物は自分の知る限り片手に収まるほどしかいないし今日は誰や、と顔を上げればそこに居たのはAだった。
もちろん思い当たる人物のうちの一人である。

『ロボロ！付き合って！』

人によっては勘違いをするようなセリフを大声で言うAに男子も女子も問わず公開告白か！？と冷やかしの声が聞こえてくる。
主語をちゃんとせぇ！と自分とほぼ変わらない位置にある頭をチョップすれば大袈裟に痛がるA。

「で、今日は何処に行きたいんや？」
『あ、そうだった！✘✘と＊＊に行きたい！早く行かなきゃ売り切れちゃう！急いで！』
「はいはい、ちょい待ってな」
『待てないー！早くー！！！』

その会話になーんだ、とつまらなさそうなクラスメイトを置いて早く早くと手を引いて急かすAに着いていく。
引かれた手(これ)がもう少し違う形だったらよかったのに。

「Aマフラー解けとるで、落としたら困るやろ」
『だって自分じゃ上手に結べないんだもん』
「結んだるからちょっと止まり」

いつかはこのマフラーも自分以外の誰かが結ぶことになるのだろうか。

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Aの目当ての店で限定チョコレートを無事購入した後、散歩がてら遠回りして帰っていればA好みのカフェを見つけた。
入口には "本日限定メニュー" と可愛らしいスイーツのイラストが描かれた看板がある。

買い物に付き合った自分へのご褒美になんちゃってデートくらい楽しんでもええやろ。まぁデートなんてAには言えへんけども。

「A、あのカフェ寄って帰らん？」
『可愛いお店！限定メニューもあるの？行く行く！行きたい！』
「やから引っ張るなって！少しは落ち着きや！」

全くコイツは騒がしいんやから、と悪態を付きつつもニヤける口元を抑えることは出来ずマフラーで口元を隠した。

外観や内装は女性が好みそうなものでアウェイ感が強いかと思いきや、今日という日だからか女性同士の客よりカップル客の方が多かった。
たがそれはそれで居心地が悪く落ち着かない。
AはAで限定メニューを頼んでほくほくとしていた。

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