【d!】とろけるような恋の味【wrwrd】 (ページ25)

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とぷとぷと良い香りの紅茶がカップに注がれ目の前に置かれた。
自分のカップにも紅茶を注ぐと先輩は私の正面に座り机に肘をついてこちらを見つめる。
人によっては行儀が悪いと言われそうな格好だが、手に顎を乗せ少し首を傾げるその様はあざといとしか言いようがない。
しばらくエミ先輩に会えていなかったと言うのにこの短時間で今まで見たことがない表情を次々に見せられ心臓がうるさく鳴り続けている。

「去年Aさんから頂いたのは生チョコキャラメルやったっけ。」

いつもの丁寧な口調を少し崩したエミ先輩にまたドキドキしながらも頷く。

「去年は私も緊張し過ぎて上手い返しも何も出来ひんかったけど今年はちゃんと準備をしてきたんで。」
『準備って、これ、ですか？』

そう言って机の上の紅茶とマカロンを指せばそれもなんやけど、と言葉を濁すエミ先輩。
去年の事を思い出し今更ながらに逃げたくなる気持ちを抑える。

「キャラメルを送る意味は "一緒にいると安心する" 、ならマカロンを送る意味は？」
『っ、"あなたは特別な人" ...ですよね』
「Aさんの去年の反応からキャラメルの意味を更にポジティブに捉えてみた答えがマカロン(これ)です。間違っていないか少し心配やったんやけど大丈夫そうやね」

かなり遠回しに伝えた気持ちがちゃんと伝わっていた事と最高の形で返ってきた事が嬉しくて目の前が涙で霞んでしまう。
それを向かいから手を伸ばしハンカチで優しく拭ってくれるエミ先輩。
去年は一緒に顔を赤くしていただけだったのに、一年で私の涙を拭ってしまえる程大人になってしまうのだからエミ先輩は本当にずるい。

こんなのどうしたって好きになる一方じゃないか。

『エミ先輩っ...す、』
「ダメですよ、こういうのは女の子に先に言わせられません」

椅子から立ち上がり、ゆっくりと私に近付いてくるエミ先輩。そして私の横で膝をついて私の手を取る。
その姿はやっぱり王子様のようで直視できそうにない。なのに視線を逸らすことも出来ずエミ先輩の綺麗な瞳を眺めた。

「Aさん、好きです。私はもう卒業してしまうし、Aさんは3年生になって忙しくなるから時間を合わせるのが難しくてなかなか会えないかもしれへん。それでも私は貴女とお付き合いがしたいんです。私と付き合ってくれませんか？」

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𝑁𝑒𝑥𝑡 𝑀𝑒𝑚𝑏𝑒𝑟 ❥❥❥ 𝑟𝑏

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