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『藤岡さんっ！ポートタワーが見えるよ！六甲の錨マークも！すっごーい！！』
「っ！ほんとだぁ！すごいすごい！僕初めて見たっ！！」
わざとらしすぎるほどはしゃいで見せる
新一はそんな俺にハッと顔を上げ、これまたわざとらしい猫撫で声で更にはしゃいだ
「ふん、そうやって気を逸らして俺の頭を橋桁に引っ掛けようってか？そんな幼稚な手に乗るか…！」
そんな俺たちを嘲笑う様に藤岡は頭を下げて橋を避けてしまう
…それが狙いなんだけどね
その瞬間、新一はベルトを外し扉の取手に引っ掛けると、俺をぎゅぅと抱きしめたあと、カチリとボタンを押した
サッカーボールはみるみる膨らんでいき、橋に引っかかる
そのせいで飛行船は大きく傾き、大きく揺れる
その拍子に藤岡はバランスを崩し拳銃を手放した
投げ出された拳銃はそのままの勢いで海へ落下、ポチャンと小さな音を立てて沈んでいった
『新一っ』
「あぁ！」
新一がベルトの射出スイッチに触れると、ボールは今までの勢いが嘘かの様に萎んでいき、ついに橋に引っかからないほどの大きさにまで縮んだ
そして、飛行船は突然つっかえを失ったせいで大きな鯨の様に水の上を跳ねる
どこにも捕まっていなかった藤岡はバランスを大きく崩し、海の中へ転落していった
ぼちゃん、と音がして、あぁ終わったと肩から力が抜ける
そして、それと同時に襲ってくる恐ろしい痛み
思わず崩れ落ちる俺を新一が慌てて支える
「はる！」
『ごめ、も、歩けないから、誰か呼んできて…』
「その必要はないぜ」
「キッド！」
倒れ込んで動けない俺を軽々と持ち上げたのは快斗だった
新一は驚いた様に目を見開いたが、すぐにキッと表情を締めると「…頼んだ」と言って飛行船の中へ降りていった
快斗は俺の傷を見ると顔を顰める
『…快斗』
「だから、行かせたくなかったんだ」
『ごめん』
そしてどこからか救急箱を取り出す快斗
中からゴムチューブを取り出し俺のふくらはぎをきつく縛ると幹部をガーゼで覆い、緩くしかし足首が固定される様に包帯を巻いた
そして、俺の尋常じゃない量の汗を軽く拭うと冷えピタをおでこと脇に貼り付けた
『流石快斗、ありがとう』
「ざけんなよ、こんな大怪我しやがって」
『これで済んで良かったんだよ』
「…死ななくてよかった」
そう言った快斗の顔は涙でぐしゃぐしゃで、その涙を止めようと手を伸ばすも、手を絡め取られ、快斗の腕の中へ優しく、閉じ込められた
続く (更新停止中)
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はむもち(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます…！リアルが忙しくなってしまい更新に手が回らずお待たせしてしまいすみません…。ちまちまかいてはいますのでもう少々お待ちください…！ (2021年4月20日 10時) (
レス) id: 121ea58195 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やぱり、キッドは彼が好きなんだね。続きが楽しみにしてます (2021年4月19日 21時) (レス) id: bb10d372b8 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 付け加えで 無理せずに頑張ってください栞挟んで待ってます！ (2021年3月31日 22時) (レス) id: c6c0c2c12c (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - すごく面白い作品ですね！これからも頑張ってください、応援してます！ (2021年3月31日 22時) (レス) id: c6c0c2c12c (このIDを非表示/違反報告)
はむもち(プロフ) - 魚京さん» ありがたいです…！！ (2021年3月16日 18時) (レス) id: d1d8696fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむもち | 作成日時：2021年2月17日 20時
