夜空に浮かぶ星のように【Ren.M】3

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ライトアップされた木々を見ながら最寄り駅まで歩く。




ピコン




ポケットに入れていたスマホ。
通知を開くと沙耶からだった。




沙耶：A〜今度目黒君とご飯行けることになった！
今から緊張してヤバい＞_＜







沙耶にはまだ目黒との事は話せてない。




あの食事以来、沙耶は目黒と頻繁に連絡を取ってるみたいで都度相談されていた。




共通の知り合いが私しかいないからA助けて！と言われ、最初から言えばよかったと後悔しても遅い。





何も話さずに知らないふりをするのは良くないと分かってる。




きっと目黒も自分から沙耶に言う事は無いと思う。






あんな風に相手に想いを寄せる沙耶を見るのは初めてだった。相手から好かれて付き合う事が多かったから。




目黒の話をする沙耶は、本当に好きなんだと表情からも伝わってきて。





”この前帰り送ってもらった時に、目黒君に言われたの”




沙耶が言っていた言葉を思い出す。




”相手から好かれても距離感間違えて重いってすぐ振られちゃったり、あんな風に無意識に勘違いさせてたり、私って本当ダメダメなんだよねって言ったら”



”そうやって自分の方が悪いんだって考えられる奴は、ダメな奴なんかじゃないよ。きっとそこも含めて分かってくれる人がいるから、自分を卑下するなって”




何か目黒らしい言葉だなって思ってしまった。




”そんな風に言ってくれる人、今までいなかったから。目黒君ともっと色んな話したいなって思ううちに…好きになってたの”




そう言って嬉しそうに話す沙耶の横顔を見てたら、何も言えなかった。





メッセージを開いたまま、足を止める。





このまま、何て返事すれば良いんだろう。
これから、どんな顔して話を聞いたら良いんだろう。






パッパーと走っていた車の音に驚いて目線を上げる。





『…あれ？』





多くの車が行き交う大通りの通り挟んで向かい側。




お店のドアが開いて、出てきた人物。




スーツにコートを着た目黒と…女の人？




遠目からでも分かる、すらっとした綺麗な女性だった。

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