99. ページ28
足が地面にくっついた様に動かなかった。
前を向いたまま立ち止まった私を不思議そうに見た後、私の視線の先に目を向けた向井君。
向井「……え、めめ…と沙耶ちゃん？」
大通りを走る車のライトが2人を照らして、その横顔がはっきり見えた。
すると後ろに人がいた事に気づいたのか、
こちらを振り返った目黒。
遠目でも目を開いて驚いているのが分かった。
ゆっくりと沙耶の手を自分のコートから離す。
沙耶「…A？」
目黒に釣られて一緒に振り返った沙耶もこちらに気づく。
『…っ』
向井「ちょ、Aちゃん？！」
走っていた。
気づいたらその場から反対方向に向かって。
ヒールが痛いのに、そんな事はもうどうでもよくなるくらいに大通りから離れてあてもなく走る。
苦しい。
走って息切れしてるから？
違う。
分かってるよ。そうじゃない。
胸が痛いから苦しいんだよ。
向井「Aちゃん！待って！！」
後ろから強く掴まれた手首。
そのまま私の前に回り込んだ向井君とは目は合わないまま。
静かな裏通りで2人息を整える。
向井「ハァ…ッ…Aちゃん。こんな時にごめん。
聞きたいこと…あんねんけどさ」
だめ、今は顔上げられない。
向井「違ったら…引っ叩いてくれてええから」
私の手首を掴む手にギュッと力がこもる。
お願い、今は続きを言わないで。
向井「Aちゃんは…めめとどういう関係なん？」
きっと、全部顔に出てもう隠せないと思うから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mamemiya(プロフ) - minさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけるのが一番幸せです。番外編もお楽しみくださいませ。 (2022年10月25日 20時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます！アフターストーリーも試行錯誤しながらですが楽しんでいただける様頑張ります_φ(･_･✨ (2022年10月25日 20時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - sakiさん» 引き続き番外編を展開予定ですので引き続きお楽しみくださいませ。いつもコメントありがとうございますm(_ _)m✨ (2022年10月25日 20時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
min(プロフ) - 完結おめでとうございます。毎日更新がないかワクワクしていたと同時にもうすぐ終わってしまうのではないかという寂しさもありました。2人のAfter story楽しみにしています😆 (2022年10月24日 12時) (レス) @page36 id: 56b5a4720c (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 完結おめでとうございます！康二くんも沙耶ちゃんも幸せになってほしい！ふっかさんこれから絡むのでしょうか？番外編楽しみです🥹 (2022年10月24日 7時) (レス) id: 760b825a9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mamemiya
| 作成日時：2022年10月9日 19時
