夜空に浮かぶ星のように【Ren.M】2

44. ページ8

『…はい？』

　

聞き間違いかと思い再び聞いたけど



渡辺「だから、これ持って目黒んち行ってやってくんない？」



返ってきたのはやっぱり同じ答え。



これ、と渡された紙袋の中には授業プリントに加えて何やらスポーツドリンクなど冷たい飲み物。…体温計まである。




え、話が読めないんだけど。




渡辺「あいつあの年で一人暮らしだから、プリント届けるついでに様子見てきてやってよ。今日は病院行く日じゃなかったはずだから」




これ住所な、とアパート名が書かれた渡された紙。




今は授業が終わり放課後。




渡辺先生に呼び出されて職員室に行くと、
目黒の様子を見てきてと言われ今に至る。



目黒は今日朝来ていたけど気づいたらいなかった。
どうやら風邪を引き早退していたらしい。



目黒の体調は確かに心配だけど、家に行けと言われたら話は変わってくる。



てかこれ完全な個人情報じゃん。
紙を見た後渡辺先生を見ると何故か笑っている。




『ツッコミどころが多すぎるんですけど。あいつの家行ったこと誰かに見られたら学校での私の立場やばいんで、成瀬君(紘君)にお願いしたらどうですか』




渡辺「成瀬は部活あるだろ。ほら、つまみも適当に買っといたからお前も一緒に食っていいからさ。まぁ確かにあいつんちここから徒歩圏内だし、他の生徒もちらほらいると思うから変な事はすんなよ。校則破る様な事はな」




どう考えても教師の言葉ではない！！
何この人！




渡辺「俺が行ってやりたいけどどうしてもこの後抜けらんねえんだよ。頼んだぞ」




『ちょ、ちょっと！』




色々詰まった紙袋を押し付け颯爽と職員室を出て行った渡辺先生。




え、なにこれ。
なにが起こってるの。

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