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『…ふぅ』
広くて綺麗なお手洗いの空間。
それだけで落ち着かない。
鏡に映る自分はやっぱり冴えない表情をしている。
こんな顔で向井くんとも話してたのか。
何だか申し訳なくなる。
”良い加減前向きになったら”
更衣室での沙耶の言葉。
沙耶には、大学より前のことはほとんど話してない。
どんな学校に通ってたとか、どんな家族だったのかとか。
…どんな人が好きだったのか、とか。
話してはいないけど、きっと気付いてる。
忘れたくない思い出に縛られてるって事。
私だってそろそろ前に進みたい。
もう24だし、自分の今後の人生どうしていきたいか考えなきゃって分かってるのに。
シャラっと胸元のネックレスが揺れる。
星と月のモチーフが重なって控えめに煌めくシルバーゴールド。
入社前に自分で買ったもの。
Starlightのものだ。
そもそもこのブランドで働いてる時点で
忘れられるわけがないんだ。
夜も星を見て、それ以外の時間もいつも星を見ているわけだから。
右手でモチーフを触ると、照明に照らされてまたキラッと煌めいた。
『そろそろ戻んなきゃ』
口紅を塗り直し、ポーチを持ってお手洗いを出た。
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mamemiya(プロフ) - minさん» コメントありがとうございます。何回も読んで頂けるのはとても嬉しいです。引き続き宜しくお願いします。 (2022年9月25日 12時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
min(プロフ) - はじめまして。康二くんのお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。新作も楽しみにしています！ (2022年9月25日 12時) (レス) @page7 id: 56b5a4720c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamemiya
| 作成日時：2022年9月24日 9時
