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あまり普段使わない校舎。
一番上の階まで上がると、もう誰もいなかった。
校内は静かだけどまだ外は明るいから怖い感じは無くて、外から部活をしている生徒の声が聞こえてくる。
廊下を進むと、屋上につながる階段を見つけた。
一歩一歩上がりながら少しだけドキドキする。
入り口のドアまでたどり着くと、”生徒の立ち入り禁止”とポスターが貼ってあった。
…さっきの人も多分帰ってたし、周りも誰もいないしちょっとだけなら良いよね。
ドアノブを握って回すと、ガチャッと簡単に空いた。
『…わ、すごい』
すぐ目に入ったのは、どこまでも続く青空。
周りに邪魔をするものが何も無くて風も吹いてとても気持ちのいい空間だった。
柵のところまで進んで下を見てみる。
校庭で列を作って走る野球部や、校門まで歩く生徒、生活指導の先生に怒られているであろう金髪の先輩、いろんな風景が見えた。
『あ、ここ』
隅にある大きな柱。
丁度影になっていて涼しい。
そこからはさっきまで私がいた校舎が見えた。
そっと座って足を伸ばすと、目の前に広がる青空と涼しい風が心地よくてそのまま目を閉じた。
気持ちいい。
嫌なことも全部忘れられそう。
どのくらいそうしていたんだろう。
まだ帰りたくないなぁなんて思いながら
んーっと腕を伸ばしていると、
「そこ、俺の場所なんだけど」
頭上から声がしてぱっと顔を上げると
無表情な顔をした目黒蓮が立っていた。
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mamemiya(プロフ) - minさん» コメントありがとうございます。何回も読んで頂けるのはとても嬉しいです。引き続き宜しくお願いします。 (2022年9月25日 12時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
min(プロフ) - はじめまして。康二くんのお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。新作も楽しみにしています! (2022年9月25日 12時) (レス) @page7 id: 56b5a4720c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mamemiya | 作成日時:2022年9月24日 9時