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若菜「A!」
『若菜!いらっしゃい。紘君も』
あの合コンから1週間。
あれから特に何も変わりなく時間は過ぎて
今日は幼馴染の若菜と、婚約者の紘君が来店した。
紘「久しぶり〜A。彼氏は出来たか?」
『第一声がそれってほんと変わらないね』
紘「ガハッ一応心配してやってんだろ」
この特徴的な笑い方をする男は成瀬紘(ひろ)。
今でこそ若菜のパートナーですっかり出来る男みたいな感じになっているが、学生時代はとにかくヤンチャな奴だった。
若菜を紹介してと頭を下げられた時の事を今でも時々思い出す。はじめ大事な幼馴染の若菜を紹介するのは正直気が引けたけど、心配は無用だった様でしっかり若菜の尻に引かれている。
若菜「はいはい喧嘩しないの。会えばいっつもそうなんだから」
若菜に宥められながら、2人を席に通す。
並んで座る2人を見て改めて結婚するんだなぁと感慨深くなる。
『若菜から聞いてた希望でいくつか候補上げてみたよ。もちろんオーダーメイドも出来るし、ゆっくり考えてもらって大丈夫だから』
いくつかサンプルとなる指輪を並べる。
若菜「わーすごい!やっぱりここのブランドは煌めきが違うね。繊細ですごく綺麗」
嬉しそうに指輪を眺める若菜はすごく幸せそうでこっちも嬉しい気持ちになる。
若菜「ね、少し店内見て回ってもいい?」
『もちろん。紘君と見なくていいの?』
1人席から立ち上がる若菜にそう聞くと、どうやら知り合いにプレゼントの購入を考えてる様で少し1人で見て回りたいとのこと。
昔からマイペースな若菜だから特に気にせず
そのまま紘君と話を進める。
『紘君はどんな感じがいいの?』
パンフレットも一緒に差し出しながら話すと、
紘「なぁA。ちょっと話したいことあるんだけどさ」
急に真面目なトーンでこちらを見る紘君。
『何よ。急にかしこまっちゃって』
変なの、と思いながらパンフレットに目線を落とすと
次の言葉に胸がうるさくドクっと鳴った。
紘「蓮の事なんだけど。あいつ今年からこっちに戻ってきてるらしいんだよ」
蓮、と聞いて浮かぶこの前の合コンの時の事。
黙り込む私を見て紘君はまた話を進めた。
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mamemiya(プロフ) - minさん» コメントありがとうございます。何回も読んで頂けるのはとても嬉しいです。引き続き宜しくお願いします。 (2022年9月25日 12時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
min(プロフ) - はじめまして。康二くんのお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。新作も楽しみにしています! (2022年9月25日 12時) (レス) @page7 id: 56b5a4720c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mamemiya | 作成日時:2022年9月24日 9時