85. ページ25
A「今日大和と一緒に紗南ちゃんの家行ってたの」
向井「あ、そうやったんや？そっかもうすぐ向こう行くんやもんな」
A「そういえば大和に話してたんでしょ？」
向井「ふふ、照れんといてよ。
男としてちゃんと報告しただけやって」
しばらく話しながらゆったりしてると
つまみがだいぶ減っていることに気づく。
向井君の後ろのサイドテーブルの上に残りを置いてたから、立ち上がって取ろうとした。
少しだけ向井君の上にかぶさって手を伸ばすと
その手をパシっと掴まれた。
A「…え？……ぅわっ」
そのまま腕と腰を引かれてバランスを崩し
向井君の膝の上に向き合うように座ってしまった。
A「ちょ、向井君？！」
驚いてすぐに降りようとしたのに
腰をグッと引かれ動けない。
私を見上げる瞳は熱がこもってて
そっと唇に向井君の指が触れた。
向井「…あんま無防備にならんといて」
少しだけ掠れた声。
甘えるような瞳に胸がドクっとなる。
ドキドキして。
声も出なくて。
こんな体勢で、恥ずかしくて
早く降りたいのに身体は動かなくて。
静かな部屋の中で
どのくらい見つめ合ってたのか分からない。
心臓の音で何も聞こえなくなる。
向井「キスしてもいい？」
そう言って唇に触れた手が私の頬を包み込む。
ちょっとだけ向井君が体を起こして
距離が近くなる。
A「…いいよ」
そう、小さく返事をすると
少しだけ引き寄せられて下から掬い上げるように唇が重なった。
ほんの数秒。
ゆっくり唇は離れて、閉じた瞳を開けると
向井君と目が合う。
ゆらゆらと揺れる瞳に私が映る。
…今なら。
素直に言えるかもしれない。
あなたへの気持ち。
A「…好き。康二」
初めて呼んだあなたの名前。
口にすると、心に何かが広がっていくような感覚。
でも、すぐに我に返って。
恥ずかしくなって視線が耐えられなくて
俯こうとしたら
A「……んっ」
頬にあった手は私の後頭部にまわり
強く引き寄せられた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1176人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mamemiya(プロフ) - さくらさん» リアルを感じていただけるのが作者としてはとても嬉しいです😳✨周りあって主人公が際立つので、関係性を誉めていただけるのもありがたいです、、😭是非他の作品もいろんな設定で書いてますので楽しんでいただけると幸いです。 (9月5日 15時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 🧡くんの可愛らしさと男らしさにキュンキュンでした！実際に職場にいたらこんな感じなんだろうなぁと、リアルに想像しちゃいました。主人公ちゃんと🧡くんの関係性や、周りの人達との関係性もすごく好きです！今度は違うお話もじっくり読もうと思ってます。 (9月5日 11時) (レス) @page27 id: 61162ff126 (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - しのさん» はじめまして。コメントありがとうございます。1番好き、は作者にとって一番嬉しい言葉です（ ; ; ）年下康二君は描いててもリアルだなと思いました。可愛くて子犬できっと近くにいたらキュンキュンな存在ですね😎短編、検討してみますね😃！ (2022年11月30日 19時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - 最高です…康二くんのお話で一番好きです。一気に読んでしまいました。ふっかさんも花井ちゃんも皆いい人でもう皆幸せになってほしいです🥹番外編？の二人もたまりません…本当リアルできゅんきゅんが止まりませんでした！また二人の短編読みたいです☺️ (2022年11月30日 16時) (レス) id: 3303d236dd (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - ゆきりんさん» コメントありがとうございます(*´ω｀*)楽しんでいただけて良かったです！また色んなお話を描きたいと思ってますので引き続きよろしくです！ (2022年6月20日 20時) (レス) @page12 id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mamemiya
| 作成日時：2022年6月13日 21時
