27. 深澤side ページ27
さっきまでの事を思い出したのか恥ずかしそうにお金を差し出すAちゃん。
「大丈夫だよこれは。ねえ本当に1人で大丈夫?部屋まで送るよ」
『いえ、大丈夫です!!すみませんご迷惑かけて。
おやすみなさい』
失礼します、と背を向けてマンションに向かうAちゃん。
エントランスに入る所が見えて、康二と2人タクシーに乗り込むと
「あれ、これってAちゃんの?」
後部座席の隅に置かれていたオレンジのケースのスマートフォン。
「え、そうじゃん。まじか」
「無いと困るよな。…俺ちょっと届けてくるわ!」
ふっかさん先帰っといてええで!と走って行った康二。
呆気に取られながらもとりあえずスマホを取り出しながらタクシーに乗り込む。
「一応連絡しとくか」
Aちゃんと偶然会って3人で飲んでた事を照に送る。
丁度マンションに着いた頃、着信が来た。
「おーっす」
「何で3人で飲んでんだよ」
「あら照君ヤキモチ?笑」
「そんなんじゃねえって。Aは?」
「丁度さっき見送った所」
上着を脱いで冷蔵庫を開けて水を取り出す。
「なかなかキャラ強い子だね。最後の方はSnowManの魅力めっちゃ語ってくれてさ」
普通に良い子だった。真っ直ぐな目でライブの感想を話してくれた彼女の言葉はかなりグッときたな。
「そういえばAちゃん康二の事めっちゃ詳しかったんだけど、元々関西のグループも推してる感じなの?」
「A、康二のファンだから」
「へぇー……え?康二、Aちゃんは照のファンってさっき言ってたけど」
電話口から聞こえたため息。
「…また話すわ。康二ももう帰った?」
「え?あーえっと」
事情はよく分からないけど、Aちゃんが康二のファンと聞いて言うかどうか迷った。
「ふっか」
けど、名前を呼ばれて嘘はつけないなと諦める。
「帰り際Aちゃんスマホ忘れてて。康二が部屋まで届けに行って。多分もう帰ったんじゃないかな」
「は?Aの部屋に?」
「あの子ちょっと酔っちゃってさ。家まで送ってたのよ」
…あぁ、何かまずったな。
静かに怒ってるのが電話口から伝わってくる。
ふっと息を吐く。
「なぁ照。あの子、友達なんだよな?」
「…友達だよ」
だったら何ででそんな悲しそうな声出すんだよ。
出かかった言葉を思わず飲み込んだ。
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mamemiya(プロフ) - Ren_Mashiroさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。これからも楽しみの一つとなります様に。 (3月17日 0時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - ヲタクちゃんさん» 是非是非お楽しみください! (3月17日 0時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます!ちょっと拗ねが足りなかったかもしれません。。🙇が、これからの展開をお楽しみいただけると嬉しいです✨ (3月17日 0時) (レス) @page22 id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
Ren_Mashiro(プロフ) - 毎日楽しみにして学校頑張ってます✨無理せず更新頑張ってください! (3月3日 21時) (レス) @page14 id: ec8f83fe60 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタクちゃん(プロフ) - 続き楽しみです✨✨ (3月1日 8時) (レス) id: 750e30c04d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mamemiya | 作成日時:2024年2月27日 20時