推し間違いにはご注意を【Hikaru.I】

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ホテルに帰って楽な格好に着替えてとりあえず何か食べに行こうとすぐに外に出る。



飲みたい気分だし焼肉とか行っちゃう？


今日は贅沢したい気分だし寿司もアリ。




迷うなぁとスマホで色々調べながら歩いているうちに近場にいい感じの焼肉屋を見つけた。



よし、ここにしよう。



個室からカウンターまであり1人だしどこでも良かったので店員さんにお任せする。




半個室の席に案内されて、とりあえず最初にビールを頼む。






『…んん！うんまぁー！』



おっと、静かな店にそこそこな声量が響いてしまった。



慌てて口を手で隠すけど誰も見てないしいっか。





よし、頼むぞ！



片っ端から食べたいものを頼んでひたすらに口に頬張る。





ビールにお肉って本当に間違いないよね。



何も気にしなくていい体質なら毎日でも食べたいくらい。




流石にアラサーだしそういうわけにはいかないけど。







『…ん？』




机に置いていたスマホの画面が通知を知らせる。



姉からだった。





【やばい、このひーくんかっこよすぎてやばいやばい無理すぎる！！次のライブは仕事休んででも行くから！！！】




日本語がやばいのは置いといて。



ついさっき上がったばかりのブログの写真が送られてきていた。



ピースに全力の笑顔。


笑うと垂れる目尻。






さっき、花道で見た彼の笑顔を思い出す。



生で見た笑顔は、画面で見るのとはちょっと違った。





なんて言うか…うん、普通にカッコよかった。



そんな風に言ったら姉に当たり前だろとぶっ飛ばされそうだけど。




怖いイメージが強かったけど、全然そんな感じじゃなかった。








…って待って！！



私ちゃんとライブで康二君の事見てた？！





ライブが終わってから今初めて康二君の事思い出した。



いつもだったら康二君のことばっかり考えて過去の動画とか漁りまくってるのに。






…ファン失格じゃないか。




ファンクラブのサイトを開くと丁度康二君がブログを上げていた時間だった。




そこにはファンへの感謝の言葉と、優しい笑顔の写真。





『やっぱり世界一カッコいい』




人から見えない席なのを良いことに、また泣いた。









よし、そろそろホテルに帰って持ってきた過去のライブDVDを見よう。



お会計をする前にお手洗いに向かう。








廊下の角を曲がった瞬間






『っ！』



「わ！」





同じく角を曲がった相手と正面からぶつかってしまった。

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