14. ページ14
多分推しなのに名字にさん付けは意味が分からないという事だろう。
ただ、私はSnowManのファンではあるけど岩本担ではないのだ。
生粋の康二君推しなのだ。
「ね、何で？」
目の前で大型犬みたいなのにチワワみたいな顔でこちらを見てくる彼に初めて罪悪感を覚えた。
出会ってからよく分からないまま今に至るけど
彼はずっと私に優しくしてくれたから。
…もう、正直に言おう。
本来は最初に言うべきだった。
『…ごめんなさい。実は私』
♫♫〜〜
『！！！』
大音量で鳴った私のスマホ。
この前設定したばかりのSnowManの新曲。
「それ、設定してくれてんだ」
ふはっと眉毛を下げて笑った彼。
タイミングが良いのか悪いのか今度放送が始まる岩本氏が主演ドラマの主題歌だった。
「良い曲だよね、俺も好き」
『私もすごく好きです。ダンスも、とても素敵だと思います』
「やった。今回振り付け結構こだわったから」
『…岩本、さん』
「ん？」
『私、実は康二君が推しなんです』
「うん。気づいてた。
てかごめん、電話出なくて大丈夫？」
『あ…切れちゃった。……って、え？！』
「ちょ、また落ちたよ。笑」
この光景は2回目だ。
初めて話した時と同じ様に驚いて地面に落としてしまったスマホを私より先に拾ってくれた岩本氏。
「必死にファンなの隠そうとしてんなーって。
別に隠さなくても良かったのに」
『嘘、』
「隠そうとしても、俺らってそういうの見てたら分かっちゃうの」
だてにアイドルやってないからね、と笑った。
「あ、でも多分康二は気づいてないよ。
緊張しやすい子なのかなって思っただけだと思う」
はい、と手渡されたスマホ。
『…ごめんなさい』
「ん？何で謝るの」
『初めから言うべきだったのに。嘘ついて嫌な思いさせてごめんなさい』
スマホを持つ手が震える。
すると頭にポンっと感じた手の感触。
ゆっくりと俯いた顔を上げる。
「別に何も変わらないよ」
『…え？』
「Aの推しは康二。Aと俺は友達」
目線を合わす様に屈んだ彼。
ここはマンションの入り口。
いつ住人に会うかわからない。
その焦りから急いで岩本氏の手を離して一歩下がる。
「…ふふ、Aのそういうとこ好きだよ。
俺の方が気をつけなきゃだわ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1967人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mamemiya(プロフ) - Ren_Mashiroさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。これからも楽しみの一つとなります様に。 (3月17日 0時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - ヲタクちゃんさん» 是非是非お楽しみください！ (3月17日 0時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます！ちょっと拗ねが足りなかったかもしれません。。🙇が、これからの展開をお楽しみいただけると嬉しいです✨ (3月17日 0時) (レス) @page22 id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
Ren_Mashiro(プロフ) - 毎日楽しみにして学校頑張ってます✨無理せず更新頑張ってください！ (3月3日 21時) (レス) @page14 id: ec8f83fe60 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタクちゃん(プロフ) - 続き楽しみです✨✨ (3月1日 8時) (レス) id: 750e30c04d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mamemiya
| 作成日時：2024年2月27日 20時
