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6. 深澤side ページ6

深澤side



『きっとあなたのものだと思って。良かったです。連絡する術も無かったので』



淡々と落ち着いた声。


今気づいたけどマスクをするのも忘れていた俺。


俺の顔を見ても一切顔色を変えずに客の一人として接している所に、何だか不思議な気持ちになった。


自惚れているわけでは無いけどメディアに出る様になってからは素顔で外に出ない様にしていたから。


彼女の様子からそもそも俺のこと知らない可能性の方が高いけど。




深澤「ありがとうございます。これいつも着けてるヤツで。お気に入りだったんで」


『良かったです』



表情の変わらない彼女。


よく見るとすごく綺麗な顔立ちだった。


可愛いよりも綺麗系で、一つに縛られた長い髪が店内の照明に照らされて艶を出している。


所謂和風美人、という奴だろうか。




『…あの?』


深澤「あ、いや、ごめんなさい!何でもないです」



やばい、つい見惚れてた。



深澤「あの、コーヒー美味かったです」



忘れ物があったら受け取ってすぐに帰るつもりだったのに言葉を続けていた。



『本当ですか?急いで入れたので味大丈夫だったかなって不安だったんですけど』



コーヒーの話になると少しだけ表情を柔らかくした彼女。


キリッとした目が少しだけ垂れて、その表情にドキッとした。



深澤「…今日は、普通に注文しても良いですか?」


『どうぞ。あ、良かったらこちらに』



テイクアウト出来るならしようかなと思ってたけど、カウンターをさしてくれた彼女の言葉に


カバンを置いてそのまま席に腰掛けた。



メニュー表を見ながらちらっと彼女の後ろ姿を見る。


白いシャツに黒いエプロン。


シャツから出た白くて細い腕に綺麗な指先。


一つ一つの動作が綺麗でついじっと見てしまう。



こちらを振り返った瞬間に見ていたことがバレない様にさっとメニュー表に目を戻した。



深澤「あの…ホットコーヒーと、あとこのモンブランってまだありますか?」


『はい、大丈夫ですよ。少々お待ちください』




つい、頼むつもりのなかったケーキまで頼んでしまった。

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作者名:mamemiya | 作成日時:2023年1月29日 1時

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