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スマホを見ると登録のない電話番号。
普段だったら知らない番号に出たりしないけど
今の私には怖いものも失うものも無いからか、気づいたらタップして耳にスマホを当てていた。
『…はい』
「あ、早瀬？今どこいんの？」
…………誰？
低くて耳に響く声。男という事だけ分かった。
でも、どこかで聞いたことある様な気もする。
頭のどこかで記憶のカケラが出てきそうな感じが。
『誰ですか。
てかまず名乗るのが礼儀でしょ』
そう言った瞬間、相手はブハッと吹き出した。
…え、何この人。何かめっちゃ笑ってるんだけど。
「全然変わってねえじゃん。
なぁ、今から飲もうぜ。どこいんの？」
いやだから名乗れっての！
誰かも分からん人と飲めるわけなかろうが。
「目黒だよ。目黒蓮。
丁度今朝日本に帰ってきてさ」
返事の無い私に名乗った彼。
目黒蓮、と聞いて一瞬止まった私の思考。
目黒……目黒？
頭に浮かんだ高校3年生の情景。
隣の席に座っていた男子生徒。
1人でいる私に、彼だけが何事もなかったかのように話しかけてきた。
『……え、何で』
目黒「思い出した？
とりあえず場所教えてよ。今からタクシー乗るから」
意味が分からなすぎて回らない頭。
目黒だけがまるで昨日の続きみたいに話を続けてくるから、気づいたら場所を伝えて電話は切れていた。
続けてショートメッセージが送られてきて、後10分くらいで着くとの事。
目黒「はは！どんだけ飲んでんだよ。
俺が飲んでも足りんじゃんこんだけあったら」
到着した目黒はベンチに座る私を見て笑いながら隣に座った。
勝手にビールを一つ袋から取り出してプシュッと開けてる。
その横顔を見ていると、私の視線に気づいてこっちをゆっくりと見た。
あの頃とはまるで別人みたいに大人になってたけど
そのちょっと企んだみたいな笑い方は記憶の中の彼と同じだった。
目黒「久しぶり、早瀬」
『…久しぶりどころじゃないよ。高3だよ？最後話したの。10年も経ってるじゃん』
何であんたが私の番号を知ってるのか。
友達でもない私に何で今連絡してきたのか。
目黒「そっか、そんな経つのか」
『何なのよいきなり』
目黒「日本帰ってきたら早瀬の顔思い出して会いたくなったから？話したかったから電話しただけだよ」
…あぁ、そういえば目黒ってこういう奴だったな。
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mamemiya(プロフ) - nagatakumikoさん» コメントありがとうございます✳︎そう言って頂けて嬉しいです。また新しい作品が出来ましたら宜しくお願いいたしますp(^_^)q (2022年12月30日 11時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
nagatakumiko(プロフ) - 最後まで読みました。みんなの話感動しました。 (2022年12月30日 7時) (レス) @page37 id: cc4ab27b52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamemiya
| 作成日時：2022年12月25日 19時
