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…こんな時間に誰？
涙を拭って立ち上がり、インターフォンも見ずにドアを開けると
渡辺「メリークリスマス。ってお前なんつー格好で出てんだよ」
『しょ、うた？』
渡辺「つか酒くさ！！え、何一人で飲んでんの？」
目の前に立つ翔太の姿が信じられなくて。
これは夢？
そっと近づくと香るお酒の匂いに顔を顰める翔太。
とりあえず寒いから入れてくれ、と玄関に入ってドアを閉めた。
『どーして…？』
渡辺「…クリスマスだから」
『でも、ライブが』
渡辺「終わって速攻着替えてタクシー飛ばして来た」
クリスマスに会いたいって翔太に直接言った事は無い。
だってそれは彼の仕事上無理だと分かっていたし、そう言えば彼を困らせる事になるから。
だからいつも年明けの落ち着いたタイミングに会っていた。
それでももちろん私は幸せだったから。
でも、今年こっそりスマホでクリスマスケーキを調べていたのがバレて。
ごめんなってこちらを見て悲しそうに笑う翔太に申し訳なくて。
私の事は気にせずライブを無事に完走して欲しかったから、今日まで笑顔を絶やさずに彼を応援して来た。
渡辺「泣くなよ」
『…ぐすっ』
渡辺「…泣かせてんの俺か。A、ほら」
その場で手を広げて恥ずかしそうにこちらを見る翔太。
渡辺「…泣き虫だな」
涙を流してばかりでなかなか動けない私を見て
優しく笑って私の腕を引いた。
背中に腕を回して、ぎゅっと強く抱きしめられる。
渡辺「…俺だってな」
『…っ…うん』
渡辺「クリスマスとか、誕生日とか
イベントの時はAと一緒にいたいんだよ」
『…イベントの時だけ？』
まだ残ってるお酒が、私の中にある欲を誘い出す。
渡辺「ふはっ。酔っ払いめ。
…いつだって一緒にいたいに決まってんだろ。
好きなんだから」
すぐ近くで響く甘い声。
大好きな柔らかい香り。
胸がいっぱいで、止まっていた涙がまた溢れ出す。
思いの分だけ私も強く抱きしめ返した。
田中「おーいしょっぴー！！
流石にそれ以上進められるとやばいからねーー！」
渡辺「…は？」
『…あ』
後ろから響いた樹君の声。
と、周りのメンバーの騒ぎ出す声。
みるみる眉間に皺を寄せて、顔が赤くなる翔太。
渡辺「…A？」
『あ、はは。さっきまで樹君達とzoom飲みしてて、切るの忘れててた…』
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mamemiya(プロフ) - nagatakumikoさん» コメントありがとうございます✳︎そう言って頂けて嬉しいです。また新しい作品が出来ましたら宜しくお願いいたしますp(^_^)q (2022年12月30日 11時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
nagatakumiko(プロフ) - 最後まで読みました。みんなの話感動しました。 (2022年12月30日 7時) (レス) @page37 id: cc4ab27b52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamemiya
| 作成日時：2022年12月25日 19時
