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初めて家の外に出る
少し冷たい外の空気に
身体が生きてるって感じる
「大丈夫？外怖くない？」
「うん...大丈夫」
「Aちゃんは歩かなくていいからね」
「....」
靴は履かせてもらえなくて
お姫さまだっこされたまま車へ直行する
部屋の外に出たら誰か人がいるのかと思った
天井の広い綺麗な吹き抜けた空間、
頑丈そうなマンションには
人の気配を余り感じなかった
ホテルに入ったら
チェックインしないとだめだし
絶対他にも人...いるよね？
絶対失敗出来ない緊張から
気持ちが落ち着かない
"ドライブデートだね〜"
なんてサングラスをかけて
呑気に言われる
黒の革張りの車内は
革のどくどくな匂いと甘い香水の香りがする
「Aちゃん〜♪」
赤信号で止まる度口付けされる
「んっしょう、危ないよ」
「ふふ俺ねAちゃんと
ドライブデートしたかったんだ」
「この車の助手席座ったの
Aちゃんが初めてだからね」
きらきら優しい笑顔に
何だか胸が締め付けられる
私は絶対あんたから逃げてやるって
思ってるのに
運転を続けながら
急に話し出す彼...
「前にさ...Aちゃんが家族の話してくれて
俺わかるよって言ったでしょ？」
「うちはさ、俺が小さい時に親が離婚して
母親1人になって色々大変だったんだ。
だから早くからお金稼いで親楽させたげたいって
気持ちが強くて、」
「がむしゃらに働いて
親と過ごす時間少なかったけど
将来お金持てたらゆっくり一緒に過ごせると
思ってたんだよね」
「したら親再婚して連れ子もいて
もう実家も引越しちゃっててさ
俺帰る場所無くなってたんだよね」
とても悲しい顔をしながら優しく笑う
「だからAちゃんと俺は一緒だよ？」
帰る場所がない。
自分を一番に優先して愛してくれる人がいない。
私には痛いほどその悲しみが伝わって
「ふふ、Aちゃんは優しいね
こんな俺のためにも泣いてくれるんだもんね」
私たちの関係は異常で間違ってる
でも自分たちの悲しみを誰よりも
理解し合える関係
ここに落ちてしまえば
気づかないふりをしてすべて受け入れてしまえば
もう何も苦しまなくていいのかもしれない
でも..どうしても忘れられない
優しい思い出が私を繋ぎ止める
"俺ん家来たらええやん"
"飯ちゃんと食ってんか？"
"お前くらい養えんぞ"
やっぱり私はこのままではいれない
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hamiky0713(プロフ) - ありがとうございます、少しずつですが手直しも加えながら完結まで書いて行きたいと思います (2020年8月16日 21時) (
レス) id: c0250b1c52 (このIDを非表示/違反報告)
m - 久しぶりの更新ありがとうございます!これからも楽しみに待ってます! (2020年8月16日 20時) (レス) id: 27114867a8 (このIDを非表示/違反報告)
hamiky0713(プロフ) - ありがとうございます、励みに頑張ります！ (2020年7月22日 3時) (レス) id: c0250b1c52 (このIDを非表示/違反報告)
美緒(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしています！！ (2020年7月17日 11時) (レス) id: bada07e1ed (このIDを非表示/違反報告)
hamiky0713(プロフ) - ご指摘ありがとうございます、改善しました (2020年7月13日 16時) (レス) id: c0250b1c52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mmkky | 作成日時：2020年7月13日 3時
