13.ライン。 ページ14
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「うえっ！？」
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そんな自分の間抜けな声がしたのは、シャッター音がした後。
急に内カメラになって、大野さんが私の隣に来たなと認識した時には既にシャッターは降ろされていて。
「え？え？」ってテンパってる間、スマホをいじって無事アイコン登録完了しちゃってる大野さん。
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慌ててラインを開いて、新しい友達のアイコンを見ると
…見ると。
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「嫌です、これ！すっごい間抜けな顔してます私」
智「そーかぁ？普通に可愛いぞ」
「嫌です嫌です！撮るんだったらもっとちゃんとした……」
智「や、俺はこれがいいね」
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いえーい、って笑ってる大野さんの隣でびっくりしてる顔の私。
大野さんのアイコンにされた、ってだけで胸がバカみたいに跳ね上がってるのに
そんな不細工な顔を世に晒すなんてそんな、そんなそんな…。
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うう、とそれから何時間か攻防したものの意外に大野さんは一度「これだ！」と決めたら譲る精神はないらしく。
「無理」「嫌だ」の一点張り。
これはもう何を言っても無駄だ、と踏んで諦めてきゅっきゅっと床掃除を始めた。
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せっかくだったらちゃんとした写真が良かったのに…。
くっそう。一生恨んでやる。
モップをきゅ、きゅと音を立ててかけていけば。開店前なのにカランカランと開く目の前の扉。
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翔「お。新しい風」
智「だーろー。華がね、あるよね。やっぱり女の子が一人いると」
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当たり前のように入って来た、櫻井さん。いつもと違うのはスーツ姿じゃなくてラフな私服姿。
珍しいですね、っていうと「今日有休消化で休みだったんだ」って笑いながら指定席に座った。
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智「ふふん、翔ちゃん聞いて驚け」
翔「お(笑)、何いいことあった？」
智「はいどーん！」
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ふっふっふっと笑いながら櫻井さんの目の前にまるで某時代劇のようにこれが目に入らぬかー！と差し出したのは、紛れもなくスマホ。
なんとなく察しがつく。
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翔「うおお！智くんがライン始めてる！え、どうしたの！教えてもらったの？」
智「ふふん。我がアルバイトが教えてくれたのだよ」
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ね、って目が合うとはい、って自然と笑みが溢れる。
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