天使の裏側のわがままに付き合わされてる【重岡大毅】

第21話 ページ21

放課後






その後は濱田先生も何かを察したように授業は無くなって、気を使ってくれたかのように濱田先生はプライベートで起きた面白い話をしてくれた。






濱田「宇野、なんでも溜め込むとあかんで。たまには吐き出さんとな。」






A「今日はお騒がせして、申し訳ありませんでした。」





濱田先生は困ったように笑うと、そんな堅くならんでええよ。と、言った。
抜けているくせに優しい。だから生徒にも人気がある。








…私も、こんなに素直で優しくなれたらいいのに。





さよならって言って濱田先生と別れて、1人で玄関へ向かった。









A「…っ、ふぅ、…」








なんでか涙が溢れてきて、こんな姿他人に見られたくないのに








A「…っ、うぅ…」







嗚咽と涙が止まらない。傍から見たら私は変な人だし、さっさとこの場を去りたかった。








神山「……おい。」







いつもより覚めた表情の神山に声を掛けられた。
返事もしたくない。顔もあげる余裕もなかった。








神山「…のんちゃん、怒ってた。」








A「…私が、変な事言ったから」







神山「…、俺も怒っとる。」





A「ごめ、」






神山「別に、お前がどうなろうとどうでもええけど…






シゲ…さ、義理兄さんとこ、行くみたいで。」









一瞬だけ、時が止まった気がした。








A「なんで…」









神山「…結婚、するって」









頭が真っ白になって、視界がぐらついた。








神山「おい！……！お…！」









なにか聞こえる…けど……









そこで意識を手放した。









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A「…ん」






神山「起きたか。」







目を覚ますと、重岡に連れてこられた時ぶりの理科準備室のソファだった。







神山「…、」







お互い何も喋らないし、見ない。








A「あの、神山…。」







神山「ん？」









A「…私、重岡にあんなひどい事言って、傷付けちゃった。」







神山「聞いたでのんちゃんから。」









A「…もう、重岡と話せなくなるのかな、」









すると神山は座っていた椅子を立ち上がった拍子にがたんと倒した。









神山「そう思ってんなら行動移せよ！俺だったらすでにシゲん所行って、すぐに引き止める。







…宇野は？どうすんの。」









神山の言葉に胸の奥がジュワッて熱くなった。









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