408.爆豪 ページ8
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｢おい、A｣
｢勝己…、どこ行ってたの？｣
普通科の女に呼ばれた後、直ぐに食堂へ向かえば何故か不機嫌なAと、焦った様な様子の切島達がそこにはいた。
日常生活であまり見ない彼女の姿に一瞬驚いたが、ここに来る前に頼んだ飯を片手に隣に腰を下ろす。
片手に…というのも、俺のもう片方にはあの普通科の女に渡された紙袋がぶら下がっていた。
｢ンでそんな不機嫌なんだよ｣
｢皆朝から隠し事ばっかり、さすがにムカつく｣
｢ばっかりってなんだよ、朝の一件だけだろ｣
｢ううん。今も勝己どこって聞いたら3人がやたらと隠そうとするから｣
なんの事だと顔を顰め、アホ面を見れば｢だって…なんか女子に呼び出されてたから…｣とゴニョゴニョと喋りだした。
｢え？何それ呼び出されたの？｣と途端に目を輝かせ始めたA。
結論を言うが、お前らの望むようなものではない。
｢これ、お前にだと｣
｢…？なにこれ｣
左手に握っていた紙袋をAに差し出す。
実は先程の女__
『ンだよ、さっさとしろ』
『あのっ…ごめんなさい…。…これっ！
『…あ"？』
『いやっ…あの…、最近緋龍さん学校で見かけなくて…でも今日はいるみたいなんだけど…えと…爆豪くん緋龍さんといつも一緒にいるから…。私緊張して本人に話しかけられなくて…。体育祭の時からファンですって…伝えて貰えますか…？…お、お願いしますっ…！』
『は？…あ、おい待てやっ！！』
と、言うことである。
つまり俺はパシリにされたということだ。
｢え！？じゃあなに、あの子緋龍のファンだったわけ！？｣
｢すっげえ…、緋龍ファンがいんのか…｣
｢…あ、俺聞いた事あるかも。なんか緋龍のファンクラブあるみたいな｣
仕事は果たした、俺をこき使いやがって。
なんて眉間にシワをよせ坦々麺を食べ始めた俺の横で、Aは紙袋の中からあの女の手作りであろうクッキーを取り出した。
｢うへぇ…すっごい…。ねえ、勝己。これくれた子の顔覚えてる？｣
｢顔だあ？…あー、アイツ｣
顎を向けたその先には、丁度食堂へ入ってきた先程の女いた__
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作者名：HamA | 作成日時：2021年10月9日 7時
