440. ページ40
.
『個性戻ったんだけどじゃねェんだよっ！！まぁたなんか巻き込まれてンか！！』
操血も戻り、途中若干イラついて暴言も吐いてしまったけれどあの敵は速攻で片付けた。
ムカつく奴もぶっ飛ばし、個性も戻り、いい気分だ。なんて思っていた時にスマホが振動し、画面を見れば爆豪勝己の文字。
興奮気味に今の状況を伝えれば、何故か此方の状況を知っているかのような返事をされ首を傾げた。
｢え？何で知ってるの？｣
『テレビだ！』
｢…へっ、報道されてんのこれ｣
『カメラ向かってンぞ』という勝己の声に辺りを見渡せば、此方に向かってくる男女が見えた。
危険なんだからこっちに来るなよと呆れ、そこでふと、今の自分の状況を思い出し冷や汗を流す。
護衛は気絶、辺りは混乱状態、被害現場に私一人。
カメラ、報道、全国放送。
導き出されるのは、此処に"一人"でいるという私の状況がテレビに流れてしまうという事。
｢まっずい…｣
『あ？どうした？』
｢私…、報道されたらマズイ…｣
｢敵連合にバレる！！｣と勝己との通話をぶっちぎり、マスメディアが向かってくる方向とは逆へ全力疾走。
数秒走ったところで見えた先程私が吹き飛ばされた噴水で、ホークスが呑気に水遊びしているのが見え、メディアの目が彼に向くように今年一番の大声で名を呼んだ。
｢ホーォオォォォオオクスウウゥウウウゥウ！！！｣
｢っ…！？えっ…なにっ…｣
｢えっ！？ホークスっ！？…あっ！ご覧下さい！ホークスが現場に！！｣
作戦成功。
さあ、後は貴方に話を合わせてもらうだけだ。
｢ホークス！何故ここに！？｣
｢え？…いや…。…ちょっと緋龍さん、どういう事｣
｢此処に一人でいるって報道されちゃあ敵連合に居場所さらしてるようなもんなんですよ。インターンって言ってください、インターン｣
｢なるほどね…、りょーかい｣
｢いやあ、ウチで彼女をインターンに向かい入れてるものでしてねえ。たまたま現場の近くにいたんで一緒に駆けつけたんですよ〜｣なんて、いつもの胡散臭い笑みを浮かべながら話を合わせてくれたホークスに心の中で両手を合わせる。
｢ほら、後進育成ってやつですよ。彼女に任せたんです｣と折角彼の背中に隠れたのに肩をグイッと引っ張られカメラに晒される私の姿。
｢…ホークス、勘弁してください｣
｢俺をこき使った貸しはデカいよ？｣
そんな恐ろしい彼の言葉に、私は冷や汗を流した__
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 421人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HamA | 作成日時：2021年10月9日 7時
