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太陽に照らされ輝く癖のある金髪。
おちゃらけたような軽い口調。
何より、私に日陰を作るように広げられたその赤い翼は、間違いようもない__
｢…ホー…クス…｣
｢派手に飛ばされたね｣
そう言って差し出された手を混乱しながらも取れば、ふわりと感じる浮遊感。
｢何でここに？｣と問えば、彼はいつもの胡散臭い笑みを浮かべた。
｢遊びに行くって言っただろ？｣
｢その話昨日…っていうか、今日したばかりですよね？｣
｢冗談、仕事だよ。それで？向かってる最中だったんだけど、まさか久しぶりの再会が吹き飛ばされた姿とは驚いたよ｣
｢やめてくださいよ…｣
服の裾を絞りながら、こんなダサい姿を見られたくないと視線を逸らす。
言い訳のしようもない、油断して吹き飛ばされた私の落ち度だ。
｢状況は？他のヒーローはまだついてないっぽいけど｣
｢私も巻き込まれたんです。敵の個性は恐らく"巨大化"、それに伴うパワーの上昇です｣
｢あの様子だとトリガーを打ってるって感じかな｣
｢恐らく｣
パッと状況を見て全てを理解したホークスはやはりNo.2ヒーローだ。
然し、こんな状況確認をしなくとも彼ならば風のような速さで敵を倒している筈。
それをしない理由など、彼のニヤけた顔で分かりきっていた。
｢それで？どうするの？｣
｢…私がやります｣
｢はははっ！分かってるよ！行ってきな｣
敢えて手を出さなかったのだ。
私が倒すと、倒したいと分かっているから。
｢勘違いしないで下さい。やられた腹いせとかじゃないですから｣
｢ふっ…はははっ！！おっけーおっけー了解したよ｣
絶対バカにしてるなこれ…。なんて不貞腐れながら、炎の翼で飛び上がる。
その時、戦闘に入ったときの癖なのか。指に嵌めたリングから針を出し、自身の指を傷付けてしまった。
個性が戻ったわけでも無いのに、若干感じた痛みに何をしているんだと視線を向けた時__
｢…へ｣
目の前に浮かぶ、赤い水滴。
大量なそれは私の前で形を成し、刀へと姿を変えた。
｢…う…そっ…｣
いつの間にか、傷口の出血も止まっている。
ドクンドクンと心音と共に感じる体を駆け巡るこの感覚は、紛れも無い、自分の血流。
｢ははっ…！｣
"もしかしたら今日突然戻るかもしれないよ？"
先程の先生の言葉を思い出し、思わず声をあげて笑う。
｢おかえりっ…｣
そう笑みを浮かべ、赤黒い刀を手に取った__
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作者名：HamA | 作成日時：2021年10月9日 7時
