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それから覚醒しない頭で朝食を食べ進め、ちょくちょく口に入れ損ねたご飯を勝己がキレながら回収してくれた。お母さん。
そんな中、｢赤ちゃんみてえ｣と笑う電気から質問を投げかけられた。
｢緋龍、今日何時に戻ってくんの？｣
｢…ん？｣
｢病院、何時終わり？｣
ああ、病院。
なんて今の今まで忘れていた事を思い出し、時計を見て時間やばいなあなんて呑気な事を考える。
｢んん…？わからん…｣
｢まじ？ヒーロー基礎学4,5限だよ｣
｢お昼すぎには帰ってくれば間に合う？｣
｢余裕だな｣
昨日の放課後、教室で話した事を覚えていたのか、電気の質問に時計を見ながら時間を確認する。
まあ朝からならお昼には余裕で戻って来れそうだと安心し、勝己が入れてくれたココアを一口啜った。
｢ヒーロー基礎学なにするの？｣
｢2対2の戦闘訓練。チームはクジ引きだってさ｣
｢なにそれ、楽しそう｣
そんなの最高じゃんねと勝己を見れば、｢ボッコボコにしたるわ｣と恐ろしい返事を頂いた。
ボッコボコにはされたくないので、彼と同じチームになる事を切実に願う。
｢でもさあ、前私がヘルプでいった授業でボッコボコにされたじゃん｣
｢あ"あ"っ！？あれは調子がクソだっただけだわ！｣
｢いやあ、まさかウチのツートップがあんなズタボロにされるとは思わなかったわ｣
｢あれ凄かったよなあ｣
いつかの、まさかの授業に参加出来ると意気込んでいればまさかの敵役だったあの授業。
焦凍と勝己というパワーバランスガン無視のチームに何とか勝てた私だったわけだが、どうやらあの日は勝己は"調子がクソ"だったらしい。
｢調子がクソじゃなかったら勝ててたの？｣
｢ったりめえだボケ｣
｢ふふっ、そっか｣
｢何笑っとンだっ！｣
相変わらずみみっちい勝己、思わず笑みが零れる。
いつの間にか頭も覚醒していて、目の腫れも引いていた。
良好な視界で周りを見れば、私に釣られて笑うA組の皆。
ずっと帰りたかった場所に帰ってこれた喜びが、心の底から湧き上がる。
__幸せだな。
なんて事を呑気に思う私。
然し、普段の生活に戻れたと思えば災難が降りかかるのが私である。
この時、私に危機が迫っている事など、誰も知る由もなかった__
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作者名：HamA | 作成日時：2021年10月9日 7時
