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｢取り敢えず、席につけ｣
大所帯になった教卓前。
相澤先生のその一言で、一先ず席につく。
久々に座る椅子にさえ、愛おしさを感じた。
｢これでやっと全員揃ったな。久々の学校だ、色々サポートしてやってくれ。…話したい事もあるだろ、一限は自習だ。騒ぐなよ｣
｢｢｢｢｢｢相澤先生っ…！｣｣｣｣｣｣
あら、まあ。
しょう兄、そんなに優しい一面もあったのね。
なんて驚いていれば、相澤先生が廊下に出た瞬間に私の周りは人だかり。
別に久々に会う訳でもなのに…なんて思ったけれど、それだけ私が此処にいる事を喜んでくれているのだろう。
｢皆ごめんね、ご迷惑お掛けしました｣
｢謝らんでいいよ！！｣
｢そうだそうだ！緋龍が戻ってくればそれでいいんだって｣
そう言って笑みを浮かべるお茶子と芦戸さんに、今度は謝罪では無くお礼を伝える。
それから、耳郎さんに八百万さん、葉隠さんに梅雨ちゃん。女子の皆と沢山お喋りをして、こうして女子だけで話すのもいつぶりだろうかと頬が緩む。
｢緋龍いっつも爆豪たちといるじゃん？たまにはウチらのとこおいでよ｣
｢あれ、そうだっけ…？｣
｢まあ、切島くんと上鳴くんと瀬呂くんと爆豪くんはAちゃんのセコムだからね｣
｢ははっ！なにそれ｣
セコムだなんて、可笑しな話だ。
なんて笑っていれば、｢それが冗談じゃないんよなあ…｣なんて笑みを浮かべながら女子の皆が私に耳打ちをする。
｢緋龍さんが怪我をして入院された時なんて凄かったんですよ？｣
｢寮移動するってなったときもね｣
｢Aちゃんおかえりパーティーした時もね、Aちゃん途中で寝ちゃったじゃん？あの時もね__｣
ほうほう。と相槌をうちながら耳を傾ければ、突然さしこむ黒い影。
身を寄せあっていた私たちは顔を上げれば、そこには顔を赤くして焦った様子の鋭児郎たちがいた。
｢はいっ！！それ以上はダメ！｣
｢そうだ！それは漢の秘密！｣
｢緋龍も聞いちゃダメ〜｣
乙女の話に割り込んでくるとは何事だと思ったが、女子の皆は思うよりもあっさり自分の席へと戻って行った。
｢なによ…｣なんて続きが気になる私は少し不貞腐れれば、頭にのる範太の大きな手。
｢知らなくていい事もあんのよ｣
｢気になる｣
｢俺達はお前が大事ってこと！｣
｢…ええ？｣なんて首を傾げ教えてくれと頼んだが、彼らが口を割ることは無かった。
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作者名：HamA | 作成日時：2021年10月9日 7時
