Ｍｉｒｒｏｒｂｏｒｄｅｒ２ (ページ45)

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魔女狩りページ45

『結果発表をいたします。まずは初日の歌唱の部はー…』
名前を呼ばれて喜ぶ者、呼ばれずに悔しがっている者。それでもまだ皆表情は余裕そうだ。…まだ、な。次々と名前が挙がっていき、
『最後に舞踊は…『天の岩屋戸』をやった者たちが最優秀賞です。』
刹那、俺の周りが騒がしくなった。喜んでいるのだ。ようやく安堵する。これで俺たちは生贄にされることはない。…よかった。発表が終わった後最優秀賞をもらう者たちは舞台の上へと行く。賞状及びトロフィーの授与がされるようだ。俺達もそこへ向かう。
「諸君、これをもらって満足をするのではなく、次の披露試験(アンリヴァン)へとまた励みー…」
学長のスピーチを聞きながら何か違和感を覚えた。否、これは違和感じゃない。嫌な予感だ、何かが来る。よくない事が起きる予感がする。すると観客席にいた何人かの生徒がざわつき始める。皆上を見上げる。そこには、
沢山の『人(魔女)』がいた。
「魔女だー！！攫われるぞーーー！！！」
誰かがそう叫んだ途端、辺りは騒然とし、パニックへと陥る。教師たちも気づき、避難指示をする者、ちょっとでも時間を稼ぐ為にか結界を張る者。学長も舞台に上がっていた俺達を避難させようとするが上空にいた魔女たちが動いた。結界は直ぐに破られ、たくさんの生徒たちが逃げ惑う。それを何か魔法をかけて意識を失わせている。
「なんで昼なのに魔女が出ているんだ…！！」
誰かが言う。確かに何故、午後になってあまり時間が経っていないというのに。最近活発になっているとはいえこんな人が多いときにやるなんて…。…『人が多い』？人が多いという事は、たくさんの生贄が連れ去られるという事。人が多いという事は…、『探している人も見つかりやすい』…？ということは、『誰か探している』という事になる。もし、それが俺だったら…。と頭で思考を巡らせていると一人の魔女がこちらを見た。
「…『みーつけた』」
口の端をにんまりと上げて、目を細める。その視線とぶつかったのは『俺』だ。こいつら…俺が目的か！！逃げようと動こうとした瞬間、既に目の前にいた。
「ようやく見つけた…。『最高の器』。」
魔女が俺に魔法をかけようとする。その時、
全てが、止まったように、静寂が訪れた。