Ｍｉｒｒｏｒｂｏｒｄｅｒ２ (ページ24)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:1,445 hit

食べ歩き下校ページ24

二人の姿が見えなくなってきた時、チェルが帰ってきた。
「カオル、はいこれ。お腹空いたでしょ。」
チェルが渡してきたのは、クレープであった。
「わあ！ありがとう！」
「どいたま～」
チェルは、歩きながら食べようと言って私の手を引いた。

ハムハムハム
「おいしい！」
「うん！しょうだね！」
チェルは、二個目に突入していた。
「チェル食べすぎ。」
「しょう？」
きょとんとするチェルに笑ってしまう。
「あはは！魔法の世界のチェルと似てておもしろいや！あはは！」
「カオル笑いすぎ。カヲルと似てないのはすっごく表情が豊かなところだね。」
チェルは、すでに二個目のクレープを食べ終えていた。
「表情が豊か？」
「うん。カヲル、あんまり笑わないから女子の噂で『カヲルに笑顔を浮かべさせた女子がカヲルと居る特権がある』っていう噂が流れてるんだよ。」
私は思わず、苦笑する。
だからか。なんか変に笑顔を見せると女子は黄色い声を上げて男子は目を白黒させていたのか。
「すぐバレルかな？」
「どうだろう？まあ、僕にはカヲルが還ってきたら面白い日常に戻るんだろうなって思ってるけどね。」
チェルは、少しだけ噴出して笑った。

家に着いた頃は、すでに青、紫、赤という空になっていた。