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第30話 ページ31

貴女side





太宰の大きな手が視界を遮る




中島「確かに裏切りはいい事では無いけれど…


何故陽の当たる世界に行きたいと希望を持った人達を殺しちゃうんだ」




鷹尾「……」





中島「貴女はどうして太宰さんの手を取らずチェイサーなんかに、」




鷹尾「…何も知らない餓鬼が…。」





太宰の手を取り外の世界で生きる





私がそれをしなかったのは



中也のいる場所に行くと決めた事ともう一つ






鷹尾「太宰。よく聞け。



裏切り者は必ず悲惨を通る」




太宰「君によってね…」




鷹尾「違う。悲惨とは報復の事では無い


悲惨とは……………」




遠い記憶が蘇る




瞳の奥が痛むように





暗闇の中を遡る






鷹尾「悲惨とは



外を夢みた二人が、自身の子に殺される事だ」




中島「……どう云う意味だ」



太宰「………まさか…。


マフィアの幹部だった頃、資料庫で間違えて手に取りサラリと読んだファイルがあった」




中島「ファイル?」



鷹尾「…」




太宰「昔…マフィア内で恋に落ち、子を授かった二人がいた。


母親は元気な子を産みすくすくと育ったが


子が成長するに連れ二人は子のためにマフィアを抜ける事を決断した



しかし先代ボスはそれを許さなかった」




中島「そんな、」





太宰「ついに逃げる術を失くした二人はこの世を去った。


だが…二人の命を奪ったのはマフィアではなく…二人の子だったと…」




中島「え……それじゃその子は、」




太宰「五歳の幼子だったその子は混乱の末両親を殺めた。


追いついたマフィアにそのまま殺されるはずだった子は



異能力者だった。そしてその力を買われ、齢五にしてマフィアになったと…



……A。君がマフィアになったのは確か、」





鷹尾「あぁ。…………五歳だ。」

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設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:はまち x他1人 | 作成日時:2024年3月18日 2時

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