冷たい手-1-【紫】 (ページ10)

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カーテンから差し込む光の筋がちょうど私の顔を照らす＿＿＿

『＿＿＿＿まぶしっ。』

手で顔を覆うが真夏の陽ざしは容赦なく攻撃してくる。

枕元の横にあるスマホを取り、画面を確認するともうすでに12時になろうとしていた。

昨日は映画を見て、いつの間にか寝てしまっていたらしい。

ぼーっとする頭でラインを開くと

画面に表示されたのは虹の写真のアイコンと“崇裕”の文字。

『・・・・すう・・ゆう・・・？』

ん？よ、読めない。

読むのを諦めて内容を見てみる

崇裕濱田です!
崇裕さっきは連絡先教えてくれてありがとう。
急にごめんな!
よかったら暇なときとか連絡したらあかんかな?

時間を見ると昨日の夜11時23分の文字

ちょうど寝落ちした頃だ・・・
ハマダさん・・・改め、濱田さんに急いで返事を打つ。

AAです。

Aこんにちは。
返事が遅くなってすいません。
こちらこそ、よろしくお願いします。

あまりにも可愛げない・・・？

もうここ数年、恋愛というものと疎遠になっていたのでついつい仕事のような硬い文になってしまう。

こんな可愛げのない返事をしてしまう自分に溜息が出る。

ここ数年。

いや、2年。恋愛に臆病になっている自分がいた。

それもこれももう思い出したくもない元カレといろいろあったからで・・・

またごろんとベッドに横になり天井をぼーっと眺める。

『・・・・・マブシイ。』

またも顔面を攻撃してくる真夏の日光を手で遮り、カーテンを閉めてこれ以上考えるのをやめた。