冷たい手-1-【紫】 (ページ9)

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□紫side

望「・・・・だれ？」

先にコンビニに入って雑誌を見ていた望が俺の方を見ることなく聞いてくる。

「ん？・・・あぁ。ちょっとした知り合い。」

望「あんま外で女と話さんほうがええんちゃう？」

棚に雑誌を戻しちょっと不機嫌そうに前を歩く望のあとをかごを持ちながらついていく。

「まぁ。そうなんやけどぉ・・・」

望「なに、もしかして惚れてんの？」

「＿＿＿＿え？

いや、ちゃうって。そんなんちゃうけど

望「じゃぁなんなん。」

いや、あれやん。

もう会うことないと思ってた人と偶然会ったらテンション上がるやん！

それやん！」

望「ふーん・・・・」

それでも疑いの目を向けてくる望は適当に商品をかごに入れ

まぁ気ぃつけや。と言ってレジに向かった。

惚れてるとか、そんなんちゃうし・・・

ほんまにもう会うことないと思ってたのに偶然会ったから・・・

うん。それだけやし。

____って、そもそも俺のこと知ってるんかな？Aさん・・・

でも前、神ちゃんとか言ってたような気ぃするし

俺濱田って名乗ってるし・・

知ってるんかな・・・

ファンやったら・・・

望「＿＿＿ちゃん！

濱ちゃん！おいてくで。」

「＿＿＿っ！え、ちょ、待ってぇや！」

望「ほんままた変なこと考えてたんやろ。」

「またってなんや、またって！変なこと考えてへんし～！」

望「・・・宛名、濱田にしといたから。」

指に挟んだ領収書をひらひらと俺に見せて颯爽と車に乗り込む望。

「おいっ！何で俺やねん！
・・・まぁ、ええけど。」

望「ええんかい。笑」