冷たい手-1-【紫】 (ページ46)

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「＿＿＿釣り竿！持ってきたで～！」

よっしゃ・・と竿から針を外しながら濱田さんが私と望くんの元に来た。

望「ほら。笑顔、笑顔。笑」

小声でそういう望くんは、私に向かって自分の頬を指でクイッと上げる。

・・・普通に。・・・普通に。

心の中で唱える＿＿＿

『＿＿＿あ、あの・・濱田さん。・・・・釣り、教えてもらえますか？』

「・・・・へ？・・・でも、」

じゃ、俺は照史くんにジュース奢ってもらいにいきますわ～！と望くんは行ってしまった＿＿＿＿

「・・・あ、えっと・・じゃ、やろっか。笑」

『お願いします。///』

突然の二人っきりは少し気まずいけど、勇気を出して濱田さんに言えてよかった・・

濱田さんが海に餌を撒く。
「糸垂らしてクルクル巻くだけやから！」と最初に一度やって見せてくれた。

はいっ！と渡された竿を受け取り何度か糸を巻く＿＿＿

『＿＿＿っ！！わっ！え、きたきた！！』

「おっ！キテるやん！よし！巻け巻け！笑」

水面まで上がってきた魚に興奮する。

『わぁ！すごい！え？3匹？3匹ついてる！！笑』

「///落ち着け、落ち着け。笑もうちょい巻いて、そう。

＿＿＿よし、やったやーん！笑
入れて1分かかってないんちゃう？笑」

糸を手繰り寄せ魚を見せてくれる濱田さんに思わずハイタッチする。

「____///あんま興奮してるとまたスマホ落とすで？笑」

『///っ！も、もう落としませんから！笑///』

「はいはーい。」と笑いながら、魚から針を抜く濱田さんの後ろ姿を見つめる＿＿＿

よかった・・・普通に話せてる。

今はそれでいい。

濱田さんとこうして楽しく話せるだけで・・・

せっかくの休みだもん。
楽しいほうがいい＿＿＿＿

自分の気持ちは心の奥にしまっておこう＿＿＿＿＿＿