冷たい手-1-【紫】 (ページ19)

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二年前＿＿＿＿

私には婚約していた恋人がいた。

お互いの両親に挨拶も済ませ、結婚式はどこでしようか？なんて二人で笑いながら幸せな時を過ごしていた

・・・・はずだった

ある日突然、家のチャイムが鳴って出てみると見知らぬ女性が立っていた。

間違ったのかな？と声をかけようとした時、女性から突き出された写真に思わず息が詰まった。
声を出そうにも口からはヒューヒューというか細い空気しか出てこず、苦しくて苦しくて立っているのがやっとだった。

「あの人の子です。」

頭の中をその言葉がループする。

女性がいつ帰ったのか・・
気付けば私は病院のベッドの上にいた。

「A！よかった・・・」

よかった・・よかった・・と抱きしめながら泣いているのは実花で、
どうして病院に？と聞くとたまたま私の家に尋ねたら玄関で倒れている私を発見して、急いで救急車を呼んだらしい。
なかなか意識が戻らなくて心配したんだから！とワンワン泣いている実花を見ると私も涙が出た。

「＿＿＿＿A！！」

ガラッと病室の扉が開いて入ってきたのは・・・彼だった。

「大丈夫か？倒れたって聞いて、俺、心配で。」

『＿＿ウッ、ゲホッゲホッッ！！』

実花「！！大丈夫？！A！」

「A！大丈夫か？！」

やめて。触らないで。

キモチワルイ＿＿＿＿

それからまた私は意識を失った。