380. ページ30
.
｢…んじゃ、私は特訓でもしてくるね〜。皆授業頑張ってね｣
｢おう！！…ってか、個性一つ戻ったけど学校戻ってこれねえのか？｣
昼食を食べ終え席を立った時、鋭児郎にそんな質問をされた。
昨日の今日だ、正直先生達も話が纏まっていないだろうし。
何より__
｢…そうだね、難しいかもしれない。"戻った"って言っても、個性が発現したばかりの子供って思ってもらった方がいいかも。つまり__｣
｢不安定…って事か｣
｢勝己、せいかーい｣
そう、元はあった個性。扱い慣れたもの。
然し、当時の感覚を取り戻すのには多少なりとも時間が必要だ。
｢私の個性の一つ、『炎龍』…まあ名前は
故に、高熱が出た際。私が身体から出てきてという意志を持ったから、迦楼羅は具現化した。
いつだかも話はしたが、常闇くんのダークシャドウの様に常時発動型では無い。
｢でもね〜、気持ちの問題なのかなんなのか…。害は無いんだけどたまに炎出ちゃうんだよね…｣
そういうや否や、私の頬から炎がゆらりと燃えた。
昨日からこんな風に炎がチラついている状態なのだ。
｢逆に迦楼羅が外に出ないように頑張ってくれてるみたい。元々こっちの個性は今年出たものだし…ちょっとコントロール難しい｣
｢は〜…大変やなあ…。こりゃもう一個の個性戻った時もっと大変やね…｣
｢本当にね｣
｢大丈夫なん？｣と心配そうな目を向けるお茶子に、何とかするよと笑みを浮かべた。
出来ないではやっていけない。
やらなければならない。
｢コントロールに悩めるなんて、私にとっては凄く嬉しいよ。お母さんとお父さんに貰った大事な個性だから｣
｢まあそうだな！でも、俺らに出来ることがあったら何でも言えよ？緋龍は一人で悩んじまうからな｣
｢そうだぞー、ちゃんと言えよ？｣
｢ははっ、ありがとう。…まあ、もうちょっと待っててよ。直ぐ戻るからさ｣
まあ、正直言えば不安しかない。
操血が戻った時、確りコントロールが出来るのか。
暴発した記憶が蘇り、皆に怪我を負わせてしまうと思うと手が震える。
大丈夫だと言われても、本当にそうなのだろうかと疑ってしまう自分を殴りたい。
｢どうにかなるっしょ！｣
なんて嘘を吐いて、笑みを浮かべた__
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HamA | 作成日時：2020年10月12日 15時
