369. ページ19
.
｢一先ず…左目、良かったです。残ってて。俺のせいでマジですみません｣
あれから炎司おじさんの退院準備を済ませ、私達は駅へと向かっていた。
その道中、ホークスは申し訳なさそうに炎司おじさんにそう言って謝罪をしたが、返ってきた返事は淡白なものだった。
｢思い上がるな。俺の怪我は俺の責任だ｣
｢エンデヴァーさん、何で緋龍さんにはそれ言わないんすか｣
｢…｣
｢だんまりですか。…緋龍さんにだけ優しいんだね、エンデヴァーさん｣
｢ははっ…、そんな事無いですよ…｣
ホークスはそう言って炎司おじさんを煽っていたけれど、確かにそれは私にも言えることで、曖昧な笑みを浮かべた。
終いには｢それ…俺も怪我したとき使っていいですか？｣なんて言い出すホークスは、きっと謝るつもりなど無い。
｢それより貴様。あの脳無、真っ直ぐ我々を狙いに来た。我々が到着したその日に…あれは偶然だろうか｣
｢あーーーー。新トップ2が駅前歩いてりゃ目立つし、ワンチャン狙ってた敵さん目についたんでしょうかね｣
炎司おじさんの何処か含みのある疑問に、ホークスは何処か態とらしく、目を逸らしながら推察を口にする。
真ん中で黙って話を聞いていた私はそんなホークスの様子を不思議に思ったが、対して気にする事も無かった。
｢…でも、あのクラスの脳無が他にもいると考えるとかなりキツイですね｣
｢一体でNo.1がボロボロだからね｣
確かにそうだけどとホークスの言葉には共感したが、それを本人の前で言うのはいかがなものだろうか。
ほら、炎司おじさんのこめかみがひくついてますよ。
｢まだいるのだとしても俺が倒す！二度とこんな醜態を晒すか！｣
｢醜態って…、かっこよかったですよ…。ホークス、余計な事言わないでください｣
｢はははっ！流石No.1ですね！期待してます〜！｣
彼は本当に煽り上手だと思う。
｢…面倒臭い｣
両サイドで騒ぐプロヒーロー二人に呆れながら駅へと向かった__
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HamA | 作成日時：2020年10月12日 15時
