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__数時間後、某病院
あれから、九州へと移動してきた私達は炎司おじさんのいる病院まで来た。
無事だという事は分かっているが気持ちは急くばかりで、気付かぬうちに足が速まる。
その勢いのまま彼のいる病室の扉を開け、視界に入る会いたかった人。
｢…炎司おじさんっ！！！！｣
大きな声で名を呼びながらベッドへと駆け寄る。
病院服から除く逞しい腕には幾つもの傷、凛々しい顔には左半分を覆うように大きな痛々しい傷跡。
左目はどうやら無事なようだけれど、あまりにも酷い傷だった。
｢炎司おじさんっ…、っ…｣
｢泣くな、A。俺は大丈夫だ｣
自分が傷を負ったわけでは無い、辛いのは本人だろうに何故か涙が溢れ出た。
否、この涙はきっと後悔の涙だろう。
自分がもっと力になれていたならば、彼にこんな大きな怪我を負わせる事はなかったと。
｢ごめんっ…なさいっ…｣
｢…何故謝る？｣
｢私がっ…ちゃんと力になれてればそんな怪我っ…！｣
思った事を素直に言えば、訪れる沈黙。
どうしたのかと彼を見ようとすれば、突然腕を引かれ、おでこに逞しい胸板が触れた。
何が起きたのか理解出来たのは数秒後の事で、炎司おじさんが私を優しく抱きしめてくれていた。
｢大丈夫だ、お前は十分力になってくれた。俺が言うのだから間違いは無い。分かったらもう自分を卑下するな｣
｢っ…、はいっ…｣
何事にも真面目な彼の言葉は、何も疑う要素など無い。
慰めでそんな事を言う人では無いし、至らない点があれば言ってくれる人だ。
そんな彼が言うのなら、きっと私は力になれたのだろう。
｢エンデヴァーさんも人を抱きしめるんですね〜｣
｢…何故お前がいる｣
｢そんな警戒せんで下さいよ、緋龍さんの護衛です。それと貴方のお見舞い｣
ホークスの声がした瞬間、一気に顔を顰め、お見舞いに来てくれたのに邪険にしだす炎司おじさん。
そんな彼を見て、ホークスはまたも胡散臭い笑みを浮かべケタケタと笑った__
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作者名：HamA | 作成日時：2020年10月12日 15時
