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｢…長かった｣
｢お疲れ｣
疲れきった私と、そんな私の頭を撫でるしょう兄。
確か昨日の件について話をしていた筈なのだが、いつの間にか校長の話に移り変わって、また話を戻して、また移ってを繰り返し開放されたのは数時間後。
朝早めに行ったはずなのだけれど、時刻は既に昼過ぎ。
彼の長話の相手は私には荷が重すぎる。
｢…はあ。…あ、しょう兄｣
｢ん？｣
｢炎司…エンデヴァーのお見舞いに行きたいんだけど、駄目だよね｣
思い出した様にそう問い掛け、自嘲気味に笑みを浮かべた。
答えなんて分かりきっているけれど、聞くに越したことはないだろう。
然し、しょう兄の返答は思わぬものだった。
｢…そう言うと思ったよ。護衛は見つけてある、明日の退院付き添いで行ってきな｣
｢そうだよねやっぱり駄目だよ……ねっ！？ホントにっ！？｣
｢先生達も承諾済みだ。｢どうせ緋龍なら行きたがるでしょ｣って。…正直、俺は
なんてこったと目を見開く。
どうやら私の取る行動は思うよりも分かりやすいらしく、先生達もどうせそうだろうと許可をしてくれたらしい。
然し__
｢塚内さん、警戒しろって言ってたけどインターンは大丈夫なの？｣
｢"ヒーローが近くにいる"なら問題無いそうだ。塚内さんが言っていたのは昨日みたいに自分から突っ込んでいくなって事だよ｣
｢あ…ははっ…、成程ね…｣
言い返す言葉などある筈もない。
然し、目の前に敵連合の奴がいるとなればヒーローとしては捕まえたいと思うところ。
なんて事を思ったが、怒られるのが目に見えていたので口に出すのは辞めておいた。
｢有難う、しょう兄｣
｢無理だけはするなよ。次こんな事があったら俺は
｢ははっ！確かに。お母さんは怒ったら怖いもんね｣
亡き母を思い出し、二人で笑みを浮かべる。
でもきっと、お母さんも自分の命よりも他人の命を優先するだろう。
あの日、私を守ってくれたように。
__自己犠牲の塊…か。
昨晩言われた事を思い出し、これは母譲りだなと自嘲気味に笑みを浮かべた__
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作者名：HamA | 作成日時：2020年10月12日 15時
