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｢てめェ連合だな！蹴っ飛ばす！｣
｢ミルコ…！？ったくいいとこだったのに。…氏子さん。｣
｢っ…！捕らえて！逃げられる！！！｣
そう叫んだ頃には時すでに遅く、荼毘の口から黒い液体が溢れ出し身体を包んで行く。
その黒い液体が何なのかは、私はよく知っている。
逃がしてたまるかと駆け出そうとした時、ホークスに腕を掴まれた。
｢っ…！離してっ！荼毘が！！｣
｢駄目だ！君も一緒にワープされる可能性があるだろ！｣
｢あーあ、そういう作戦だったのに。まあいい、また会いましょうお嬢。…それと、精々頑張れ死ぬんじゃねえぞっ！轟炎司！！｣
そう殺意の込めた叫びを上げ、姿を消した荼毘。
取り逃した悔しさに、舌打ちを零す。
｢悔しいのは分かるけど、君を守る責任が俺にはある。…取り敢えずは、一件落着だ。｣
｢…はい。｣
ホークスが正しいと自分を制し、限界が来たのか意識を失ってしまったエンデヴァーを支える。
遠くで救急車のサイレンが聞こえ、眠るエンデヴァーにもう少し頑張ってくださいと声援を送った。
｢ってか、何だこのデカい龍。｣
｢緋龍さん…、エカルラートの個性ですよ。｣
｢…ああ、ごめんなさい熱いですよね。ありがとう迦楼羅、戻っていいよ。｣
【承知した。】
また学校に戻ったら沢山話をしようと、迦楼羅を一旦体内に戻す。
｢エカルラート？誰だ？｣とミルコさんが疑問を口にしているので、自己紹介をしようと浅く頭を下げる。
｢雄英高校一年、緋龍Aです。ヒーロー名『エカルラート』、ホークス事務所でインターンをしています。宜しくお願いします。｣
｢ほおっ！！ミルコだ！宜しくなエカル！｣
ミルコさんは適当に自身の自己紹介をした後、ズカズカと私の元にやって来て、すげえ個性持ってるんだな！と頭をわしゃわしゃと撫でて来た。
初対面にしてはあまりにも近い距離感に少し驚いていれば、ホークスが｢困ってますよ、その位にしてあげてください。｣と助け舟を出してくれた。
ボサボサになった髪を手櫛で整え、こんな所で言い合いを始めた二人を苦笑しながら見ていれば救急車が到着し、ホークスと付き添い人として乗り込む。
｢助けてくださってありがとうございます！また何処かで！｣
｢おう！じゃあな！｣
ドアが閉まる直前、そうミルコさんにお礼を伝え、ホークスと共に病院へと向かった。
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作者名：HamA | 作成日時：2020年10月12日 15時
