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sweet...96 ページ49











誕生日を誰かにお祝いしてもらう
っていうことがそもそもあんまり無かった。


誕生日って言っても、お母さんは病院だし…



ただ毎年くれる
手編みのマフラーや手袋たち。


それが私の宝物だった。


市販されてるものじゃなくて、
手作りっていうだけで
こんなにも暖かくて嬉しいものなんだってことを
教えてくれた。



だから私もお母さんにお返しがしたくて、


何が1番喜んでくれるかなって考えた時に
思い浮かんだのが

一緒にチョコレートを食べるあの幸せな瞬間だったことと、

ちょうどバレンタインだし



家で1人ではじめてチョコレートを作ることにした。





ただ板チョコを溶かして、
生クリームと混ぜて作った生チョコ。


簡単なものだったけど、

想いを沢山込めた。


日頃の「いつもありがとう。」



「ずっと一緒にいてね。」









『でも、結局

 私の想いは届かなかった。


 チョコを持って病院に着いた頃には
 もう意識も無くて…
 渡すことができなかった。


 だから…バレンタインも誕生日も
 あんまりいい思い出じゃないから

 お祝いって感じもしないんだよね。


 ごめんね。黙ってて。』




できれば思い出したくない
辛い過去だから



仕事が毎年忙しくて

助かった。



やらなきゃいけないことも、考えることも、
たくさんで

いつもいっぱいいっぱいになっちゃうから


余計なことは思い出さなくて済む。




照「そうだったんだ…

  ごめん…無神経に聞いたりして。」



『ううん。
 照は知らなかったんだもん。

 こちらこそこんな重たい話してごめんね。』




照「辛い記憶、思いださせちゃったよね。
  ごめん。」




照はいつもみたいに
優しく頭を撫でながら


ぎゅっと抱きしめてくれた。



こうやって照に抱きしめてもらうと


暖かくて、
幸せで、


胸の奥がきゅーっと締め付けられて


じんわり何かが溢れ出てくるような


そんな感覚。



そっか。



この感覚。



お母さんに抱きしめてもらってた時と
似てるんだ。





思い出したくない過去



だけど



いつかは向き合わないといけないと思ってた。





『…照と一緒なら

 平気だよね。



  ねぇ、照


  バレンタインの日…

  私の誕生日


  お祝いとかはいいからさ、

  ただ一緒にいてくれない?


  そばにいてほしいな…』

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設定タグ:岩本照 , SnowMan , 雪男   
作品ジャンル:タレント
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作者名:Aym:) | 作成日時:2022年5月20日 22時

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