chocolate...2【黄】 (ページ47)

今日:132 hit、昨日:338 hit、合計:140,870 hit

sweet...94 ページ47

、
、
、
、
【Hikaru side...】

『会いたかった…』

Aは腕の中でそう言ってくれて
力は弱いけど
しっかり抱きしめ返してくれた。

顔も少しやつれた気がするし、
いつも抱きしめる時、
折れるんじゃないかって不安になるくらい
細いAだけど

いつにも増して細い気がして
心配になった。

照「ちゃんと食べてる？」

『……食べてるよ。』

照「その間は絶対嘘じゃん。笑」

『ごめん。笑
　ご飯食べてる時間すらおしくて。

　とりあえずここじゃあれだから
　上行こっか。』

照「いいの？大丈夫？」

『うん！
　照が来てくれた時くらい、ゆっくりしなきゃね。』

そう言ってAは
俺の手に自分の手を絡ませて
手を繋いで階段を登った。

『なにか飲む？』

照「いいから、こっちきて。」

またソファの上でAを抱きしめる。

やっと会えた、触れられた。

って言っても、２週間？会ってないだけだけど。

首元に顔を埋めて肺いっぱいにAの香りを吸い込んだ。

あーほんと、好きだなぁ…

『ごめんね。散らかってて…』

岩「そんな気にすんなって。
　仕事熱心なAも大好きだから。」

『ありがと。

　あのね…
　バレンタインでね、
　大切にしてる人へ贈るものとして
　私のショコラを選んでくれたっていう、

　それってほんとに嬉しくて、
　すごくありがたいことでしょ？

　だから一切妥協したくないの。』

照「うん。そうだね。」

『その贈り物、私のショコラが
　その人の人生を大きく変えるかもしれない。

　大袈裟かもしれないけど、
　そう思って大切に大切に作ってるの。』

そう語るAの目は
すごく真剣でかっこよくて

胸がぎゅーっと締め付けられて、
なぜか見てて涙が出そうになった。

『その分、神経使ってるから
　余裕が持てなくなったりしちゃうの
　分かってるから、

　だから、照に会いたくないって…』

照「大丈夫。ちゃんと分かってるから。」

『…でもね、照が店に来てくれて
　顔見た瞬間、分かったの。

　ずっと気を張ってて余裕が無かった心が
　すーっと軽くなったのが。

　照に会わない方が余裕なくなるってこと
　今さら気づいたよ。
　ごめんね。』

照「何泣きそうになってんだよ。笑」

あ、それは俺もか。

照「大丈夫、ちゃんと分かってるって。
　 Aはめちゃくちゃ頑張ってる。
　そんなところも大好きだし、尊敬してるよ。」