sweet...92 ページ45
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【Hikaru side...】
やっと、やっと会えたと思ったA。
だけど、
あいつの服を掴んで
ずっと後ろに隠れてて…
やっと会えたのに。
もうAの姿が確認できて、
Aの香りがちょっとだけして
声が聞こえてきたってだけで
こっちはもう触れたくて
抱きしめたくて、
爆発しそうなのに、
ずっとあいつのこと掴んでるし。
距離近いし。
ムカつく。
『ひ、ひかる?怒ってる?』
照「…怒ってない。」
『完全に怒ってるし…』
目「まぁまぁ岩本くん
せっかく会えたんだしさ、
そんな怒んないでよ。」
ラ「そうだよー!
それに今日はお客さんとして来たんでしょ?」
…そうだった。
お客さんとしてくるから
ルール違反にはならないって理由できたのに
Aがこんなんだから
思わず一線を超えてしまった。
照「…ボンボンショコラ詰め合わせ
3箱、ください。」
『は、はい!』
目「ぶはははっ、やっぱ買うんだ。
しかもめっちゃ買うし!」
ラ「僕も家用に追加で買っちゃおー!
岩本くん僕のも買ってー?」
照「おう。これうまいやつ。
あとこれとこれも。
あ、あと焼き菓子もおすすめ。」
ラ「あ、焼き菓子はね、さっきもらったよ!
ほら!バレンタイン!ね?Aちゃん」
照「…は?」
バレンタイン?
ラウールはラッピングされた可愛いフィナンシェを
手に持ってゆらゆら揺らしてる。
『さっき来てくれたから。
来てくれたお客さんに渡してるの。』
分かってる。仕事だから。
分かってる。分かってる。
はぁ…
俺、マジどんだけ嫉妬ヤバイの…
カランカラン
『いらっしゃいませ。』
女性のお客さんが入ってきて
俺たちは慌ててマスクを
ぐっと上げた。
バレないようにと
Aがそのお客さんのところに
行ってくれたので、
元さんに会計してもらった。
元「あ、そういえば、
あいつから誕生日の話、聞きました?」
照「誕生日?」
誕生日と言われて気がついたけど…
待って。俺、Aの誕生日、知らないじゃん。
なんで今まで聞かなかったんだ?
俺、最低じゃん…
元「…あいつ、誕生日にいい思い出ないらしくて
たぶん自ら話したりしないと思う。
俺からこんなこと言うのも何だし、
聞くのも嫌だと思うけど…
14日、あいつ誕生日なんだわ。」
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作者名:Aym:) | 作成日時:2022年5月20日 22時