chocolate...2【黄】 (ページ37)

今日:284 hit、昨日:338 hit、合計:141,022 hit

sweet...84 ページ37

、
、
、
、
【Meguro side...】

岩本くんが最近ちょっとだけ、
寂しそうにしてる時がある。

もちろん仕事の時はちゃんとしてるけど、
楽屋にいる時とかに、ほんとたまに。

特に、大好きなチョコを食べてる時に、
いつも美味しそうに食べてる時とは裏腹に

寂しそうな表情をしてる。

それがなんか気になってて、

何があったかは聞かないけど、
少しでも元気になってくれればと

ご飯にでも行かないかと誘ったら、
そおいえば岩本くんが東京に引っ越してきて
もう１年くらい経つのに、
新居にお邪魔してなかったなって話になって

ラウールとお邪魔させてもらうことになった。

当日、

住所を教えてもらって、地図とか調べて見てると
近くにチョコのお店があるのを見つけて

岩本くん喜びそうだし、
手土産に買っていこうと
ラウールと寄ることにした。

ラ「あれ？ここって…
　岩本くんがよく食べてるチョコのお店じゃない？
　 Petit bonnardって箱に書いてあるの
　見たことある！」

目「あ、そうなんだ。」

ラ「岩本くんいつも独り占めしてて
　全然くれないから気になってたんだよね！
　行こ行こ！」

バレンタインまであと３日ということもあり、
そのお店にはたくさんのお客さんがいて

入るのをちょっとためらったけど、
団体客が出て行ったのを見計らって入店した。

カランカラン。

店に入った途端、チョコレートの甘い香りに
全身をふわっと包まれて
なんだか胸が熱くなる感覚がした。

ショーケースには可愛くて綺麗なチョコレートが
たくさん並んでてキラキラしてる。

そして何より…

『いらっしゃいませ。』

とニッコリ笑う店員さん。

その笑顔はマスクをしてても分かるくらい
すごく素敵で、

思わず胸がドキッと高鳴った。

並んでるチョコレートが
目に入らなくなるくらい

キラキラしてた。

なぜかずっとドキドキしてて、
その人から目が離せなくなって
ずっと目で追ってしまっていた。

その店員さんは他のお客さんとニコニコ話しながら
レジしてる。

そんな姿もなぜか素敵で
あまりにも夢中になって
凝視してしまってると、

ラ「ねぇ、めめ。見過ぎ。笑」

目「あ、ごめん。」

ラ「あの人可愛いもんね。
　僕もドキドキしちゃってる。」

目「うん…」

ラ「きゃはははっ
　これはめめ、重症だね。」

そっか。俺、

あの店員さんに

完全に一目惚れしたわ。