chocolate...2【黄】 (ページ36)

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毎日、早朝から深夜まで
チョコレートと向き合い続けてる。

昔、フランスで修行してるときは
毎日ずっとこんな感じだったし、

何より自分がショコラティエっていう道を
選んだわけだから、
この生活は辛いと思ったこともないし

むしろ毎日楽しい。

ただ…

照に会えないっていうのは
かなりしんどい。

自分から会わないっていう選択をしたくせに、

お互い仕事のことを考えて
電話も控えてて、

それが思ったよりキツくて、

それだけ私の中で
照が無くてはならない存在になっていたことを
思い知らされた。

『しんどい。』

元「は？
　体調悪いんなら無理すんな。」

『違う。違くて…

　もう照と２週間も会えてない。
　声も聞けてない。しんどい。』

元「なんだよ。ただの惚気か。」

『こんなにキツイとは思ってもなかった。』

元「めんどくさ。
　お前の惚気話とか聞きたくねぇし。
　まだダメージきついし…」

『ひどくない？
　私だって一応女の子なんだよ？』

元「いや、そういう意味じゃなくて…」

『？』

元「…まぁいいや。
　でも、14日はさすがに会うんだろ？」

『え？特に約束してないけど。』

元「はぁ？お前、

　誕生日だろ。」

『んー、でも照に誕生日だって言ってないし
　知らないんじゃないかな。』

元「お前…バカだ子供だとは思ってたけど
　そこまでバカだとは…」

『ねぇー！
　私一応雇い主なんですけど！！』

元に言われて気づいたけど、
確かに私の誕生日の話、照にしてなかったなー。

だってショコラティエになってから
自分の誕生日だとか言ってられない
世界になってたから、

特に祝ってほしいとかもないし…

え、言ったほうがいいのかな？

え、でも自分から
「実は誕生日なんだよね。」って
祝ってくださいって強要してるみたいで

なんか嫌だよね。

んー、そりゃ照に会いたいけど…

今はバレンタインへのショコラ作成が
大変だし…

って考えて、結局

照に誕生日を伝えることはなかった。