chocolate...【黄】 (ページ14)

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【Hikaru Side...】

５月１７日

そう、俺の誕生日。

仕事が終わって急いで向かった先は
もちろんあの店。

誕生日だし、
明日は火曜日で定休日だから
今日はいつもより多めに買う予定。

扉を開けるといつものように
「イワモトさん！」と出迎えてくれる店長。

(今日も可愛いなぁ、、、)

でも今日はいつもと違った。

誕生日だと伝えると
ショコラケーキをプレゼントといってくれた店長。

めちゃくちゃ嬉しくて、
そんなことされたらちょっと期待してもいいよね。

そしてもうひとつ、いつもと違うこと、

さっき店長が厨房に入っていったときに
覗いてみたけど、

いつもそこから睨みをきかせている、
男性の姿がなかった。

(あれ、店長以外誰もいない、、、
　これはチャンス？)

そう思ったらすぐに言葉にしていた。

「、、、店長さん、、、

　誕生日を理由に
　ひとつだけお願いきいてもらってもいいですか？」

『ん？なんですか？
　私にできることならなんでもします！』

「、、、連絡先、教えてください。」

とうとう聞いてしまった。

恋愛沙汰を避けていたはずなのに、

もっと仲良くなりたい。
もっと知りたい。

そう思ってしまってから自分の欲望を抑えられなかった。

俺は店長に、、、
完全に惚れてる。

そこからはもう抑えきれなくなってしまった欲望のまま。

次の日の食事の約束までしてしまった。

電話を切って、思わずガッツポーズした。

「照」って呼んでくれた「A」を思い出しては
ニヤけていた。

てか、はじめて声を聞いた時も

なんていい声なんだと思った。

ずっとガラス越しで見ていた彼女。

実際に会って話してみると、

声も、顔も、小さな背丈も
仕事に一生懸命なところも
お客さんに誠実なところも

全部が全部、好きだと思った。

でも、、、

彼女は俺のこと何も知らない。

仕事のこと、まだ言ってないし
知らない様子だった。

明日はまず、そのこと、
話してみようかな。

どんな反応するんだろう。

ちょっと不安。

でも、Aとデートができる。

それだけで胸がいっぱいで
明日のお店を予約して、

たくさんシュミレーションして
わくわくしてる自分もそこにいた。